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ブロークンコンソート:魂の歌声

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連載ファンタジー長編小説集
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記事一覧

《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声

前回 11.決意ー(2) パッション 遠く暗い宇宙を彷徨う無数の星たち 光を失いかけている今…

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《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声

前回 10.決意ー(1)  スザンナはホワイトハウスでの一件を忘れるかのように、精力的に仕…

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《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声

前回 9.陰謀ー(2) 「二人とも、それを飲んだらダメよ!」   クリスタが勢いよく走り…

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《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声

前回 9.陰謀ー(1)  七色の虹の光とともに、ジミーとスザンナの歌声の雨粒が降り注ぐ。…

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《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声

前回 8.脅威ー(5)  ジミーとスザンナが連れてこられたのは、ニューヨークのクラブでは…

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《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声

前回 8.脅威ー(4)  ジミーとスザンナがラジオ局を出て、ホテルへ向かおうとしている時…

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《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声

前回 8.脅威ー(3) 「ようこそジミー。遠路はるばる西海岸からおいでいただいて。ここニューヨークでも大評判ですよ。本日はプロモートのみということで、われわれのためにノーギャラでのご出演です」  ジミーはDJが発した<ノーギャラ>の言葉に反応し、思わず後ろに控えるスザンナを見た。スザンナは涼しい顔をして見返している。 「リスナーのみなさんはわかっていらっしゃると思うけど、彼はここニューヨークでの芸能就労を許可されていません。ですので、報酬を得ることができません。本当に出演

《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声

前回 8.脅威ー(2)  ジミーの勢いはとどまることを知らなかった。レーベルデビューを果…

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《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声

前回 8.脅威ー(1)  スザンナが予想した通り、大手レーベルから出したアルバムは高額に…

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《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声

前回 7. 覚醒ー(2) 「聴きたくない」 「え?」 「もう出よう」  スザンナは喉元を押さ…

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《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声

前回 7. 覚醒ー(1) 「とにかく反響が凄いんだ。それに加えて不思議な反応があってね。聴…

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《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声

前回 6.寵愛ー(3) 「大丈夫かい?」  マイケルの声がとても遠くに感じる。実際、サンフ…

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《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声

前回 6.寵愛ー(2)  ベイエリアのFM局は、この坂の先にある。 「うわあ、聞きしに勝る凄…

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《連載ファンタジーノベル》ブロークン・コンソート:魂の歌声

前回 6.寵愛ー(1)   今日もカルフォルニアの空は高く、日差しが綿のシャツを抜けてスザンナの白い肌に貼りついてくる。助手席のジミーはパナマ帽を深めに被り、フレームが細い真っ黒なサングラスをかけている。サングラスのせいで目元が見えず、彼が寝ているのか起きているのか、スザンナには確認できない。運転に集中しているせいもあるが、何時間も会話もなく走り続けるというのは、よほど運転が好きか車を愛しているかの人間でしかできないことだとスザンナ自身も思う。  スザンナは眠気覚ましにラ