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2017年個人的洋楽ベストアルバム20
こんにちは。1990年からスタートして2020年をゴールに設定したX(旧Twitter)上の連載マラソン企画。2017年発売作品を約100枚ほど聴いたところでのまとめになります。
時代の気分にドップリ浸かって2015年あたりからトラップとオルタナR&Bにドップリ浸かってきた僕ですが果たしてその熱は治まったのでしょうか?
※各盤の感想文はX掲載時のものを基本としつつ必要に応じて修正しています。
20位 Charli XCX/Pop 2
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チャリのミックステープ。全曲A.G.Cookが何らかの形で関与してて最新作「Brat」との地続き感が凄い。言い方を変えると2024年現在で訴求力あるポップミュージックの形がこの時点ですでに出来上がってる。トラップが早くも一素材として消化されてるのも驚き。
19位 Sampha/Process
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数多くの有力ヒップホップ/オルタナR&Bアーティストとコラボしてきたサウスロンドンの歌ウマ「客演王」Sampha が満を持してリリースした自らのデビュー盤はマーキュリー賞受賞作。特別な声を持っている上に曲がいいんだからもうどうしようもない。お手上げ!
18位 XXXTENTACION/17
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フロリダ出身、SoundCloud Rapの旗手と呼ばれた若きラッパーの1st。アコースティックでフォーキーで感情量の多いラップ。夭折したからという理由だけでなくElliott Smithのようなヒップホップがあるとしたら彼かLil Peepしかないよな、と思う。
17位 Laura Marling/Semper Femina
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6作目は「女性らしさ」がテーマのコンセプトアルバムでプロデューサーにBlake Millsを迎えての新展開。 MVもちょっと艶っぽかったりする。この人のアルバムは大抵いいが今作もまた素晴らしい。ゆったりと情念がたゆたいながら盛り上がっていく。
16位 Thundercat/Drunk
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LA出身ベーシストの超有名盤。音楽一家に生まれスラッシュメタルを経験してFlying Lotus、Kendrick Lamarのアルバムに参加し本作にはMichael McDonaldとKenny Logginsを招く。これぞ真のフュージョン/クロスオーバー!ふとした瞬間なぜか懐かしさが感じられるのもいい。
15位 Logic/Everybody
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メリーランド出身のラッパー/作家の3rd。
ヒットシングル“1-800-273-8255”は自殺防止ダイヤルの番号。ラップは超絶のうまさで全体的にメッセージ色強めだがかっちりした光沢のあるプロダクションがその圧を和らげている。ジャケ中央上部右にM13に参加しているJ Coleが腰掛けてるらしいです!
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右:本作ジャケ中央上部右あたりの拡大図
14位 Cigarettes After Sex/st
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幻想的で耽美的で浮遊感があってついでにバンド名に引きずられてセクシーな音楽だなぁ。何となく映画「Paris, Texas」とか「Wild At Heart」あたりの乾いた世界観を思い出しちゃうなぁ。とか思ってたらテキサス州エルパソ出身のバンドだった!そういうのって嬉しい!
13位 Kehlani/SweetSexySavage
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ベイエリアのオークランド出身R&BシンガーKehlaniの1st。トラップ的な音作りのビートにメロウ&スウィートなボーカルが絡むこれぞ2010年代中盤以降って感じの傑作かと。全体的に明るいトーンなのもいいな〜
12位 Dua Lipa/st
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ロンドン出身ながらルーツのあるアルバニア国籍を取得しているDua Lipaの1st。2015-18年にかけての8曲ものシングルを含む。ちょっとハスキーでしゃくりや転がしがナチュラルに入る。単純に上手いのとは違う「主役声」とはこういうのを言うんだろうと常々思っている。
11位 Calvin Harris/Funk Wav Bounces Vol.1
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バラエティに富んだゲストの個性をEDMのフレームの中で活かしきった「時代のサウンドトラック」と呼ぶべき素晴らしい内容!しかし当時の各地フェスではいつものEDMに戻ってしまい凄い音源を作ることとライブでの再現性の相剋をどう考えるべきかの題材となった問題作でもある。…にしてもFrank Ocean, Migos, Future, Pharrell Williams, Ariana Grande, Travis Scott, John Legend, Kehlani, Young Thug, Snoop Dogg, Lil Yachty, Nicki Minaj, ScHoolboy Q, Katy Perryって…ライブで再現できなくてもしゃあないよ!
10位 Tyler, The Creator/Flower Boy
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オッド・フューチャー・リーダーの4th。1st「Goblin」の頃のダーク一辺倒さは影をひそめゲストのFrank OceanやKali Uchisとともに仕上げたスウィートな楽曲も当たり前のように入っている。緊張感と浮遊感が同居する独特の世界がクセになる!最新作「CHROMAKOPIA」の凄みはこのへんから始まっているように思う。
9位 The xx/I See You
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4年4か月ぶりの3rd。シンプルでポップ。この人たちを2009年の1stから基本的に時系列でメンバーソロも含めて最近作と行き来しつつ聴いてるが付かず離れず離合集散を繰り返しながらどんどん良くなっていくのでどんどん好きになる。バンド/ユニット発展の理想形!
8位 Lana Del Rey/Lust For Life
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A$AP Rocky, Playboi Cartiといった客演に加えて楽曲プロデュースにMetro Boomin…時代の機微を読んだゲスト陣だが驚いたのはそこに全く飲み込まれずクオリティの高い曲を揃えて現在もなお量産し続けるラナのブレないソングライティング力や言葉をチョイスする力がここでも遺憾なく発揮されていること!
7位 Vince Staples/Big Fish Theory
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コンプトン生まれロングビーチ育ちラッパーの2nd。エレクトロ寄りでオルタナR&Bもトラップも踏み越えて更に先に進もうとする気概を感じる先鋭的な内容。2017年目線で見てもも2024年目線で見ても尖ってる。
6位 Beck/Colors
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あぁ、これは凄いな…静の「Sea Change」から動の「Midnite Vultures」みたいな自分なりのBeck軸あるけど本作はそのど真ん中にいるんじゃないか?いやもしかしたらどこにもいないんじゃないか?「Odelay」から21年後にこんな透明感のあるポップアルバム作れるなんてね!
5位 Future/HNDRXX
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この年にわずか一週間の間隔でリリースされた2作品のうち後発のほうがこちら。先発の「Future(セルフタイトル)」はバキバキのトラップ。本作は極上のR&Bテイスト。こういう球も投げられるのか!…と当時のFutureの勢いをまざまざと見せつけられる思い。
4位 Migos/Culture
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米国の年間売上でヒップホップ/R&Bが初めてロックを上回ったこの年にアトランタの3人組が残したその象徴的な作品。この後世界のポピュラー音楽をトラップ的なものに染め上げた起点の1つ。低音ビートとハイハットと三連符フローによる形式美は妖しくも滑らか。
3位 Loyle Carner/Yesterday’s Gone
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サウスロンドン出身のシンガー/ラッパーの1st。ともすればクールになり過ぎなUKラップだがジャズやゴスペルの要素を巧みに取り込みハッとする瞬間が何度も訪れる。マーキュリー賞にノミネートされNME年間ベスト12位というのも納得だ🔥
2位 BROCKHAMPTON/Saturation Ⅲ
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テキサス出身のKevin Abstractを核にメンバーの多くがKanye Westのファンサイトで知り合った14人編成の“ボーイバンド”。本作はこの年リリースされた三部作の一枚。ヒップホップともインディロックともつかぬ音像は今なお斬新…てか昨今TLで評判になりがちな音楽って今なおこんな感じでは?活動中止後のKevin AbstractとMatt Championのソロ作品を先に聴いていいなぁと思っていたけどようやく本丸を聴けた…
三部作の他2作Saturation Ⅰ・Ⅱとの合わせ技でこの順位みたいなところはあるけど才気がコップから溢れ出てるのは間違いない!
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1位 SZA/Ctrl
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セントルイス生まれニュージャージー育ちムスリムの黒人家庭で育ったSZAの正式1st。オルタナR&Bと括ってしまうには全く相応しくない溢れんばかりのロックスピリット。かと思えばKendrick LamarやTravis Scottを客演に迎えても一歩も引かない芯の強さ。これは凄い!
所感
4位のMigosのところでもふれましたが2017年は米国の年間音楽売上でヒップホップ/R&Bが初めてロックを上回った年だそうです。ジャンル横並びで聴いていると先進性、多彩さ、層の厚さなどの点からそれはひしひしと感じられましたしメインストリームへの客演の多さがそれを物語っているように思います。それって要するに勢いが「滲み出し」てるってことなんですよね!11位のCalvin Harrisの作品がそれを象徴してると思いました。そんなわけで弱小個人たる我がランキングにも「滲み出し」の影響が顕著です。ヒドいです(褒めてます)!
そんな中、ランキングとは別に興味深かったのが「対」の多さ。
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…あ、これが多いってわけじゃないです。
㊗️Oasis再結成!ギャラガー兄弟のソロアルバム揃い踏み!
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Who Built The Moon?
右:Liam Gallagher/As You Were
シューゲイザー御三家の2つRideとSlowdiveが各々21年ぶり22年ぶりのニューアルバムをリリース!
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The War on Drugsとその創設メンバーKurt Vileが同じ年に作品リリース!
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右:Courtney Barnett, Kurt Vile/Lotta Sea Lice
boygeniusメンバー2人の揃い踏み!
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右:Julien Baker/Turn Out the Lights
…まあ同時代に現役で活躍してればこういうことは珍しくはないと思いますがシューゲイザーのベテラン2組の20年以上ぶりの作品がぴったり同じ年というのはなかなかの偶然ですよね!それから考えるとOasisの再結成は15年ぶり。かくも長き不在のように思われましたがベテランバンドの再結成の機が熟するまでにそれぐらいの年数を要するのは案外普通かも知れないと以下を見て思いました。
Slowdive:
1995年解散→19年後の2014年に再結成
→22年後の2017に新譜発表
Ride:
1996年解散→18年後の2014年に再結成
→22年後の2017に新譜発表
これ見ると15年でのOasis再結成は早いほうです!新譜は3年後の2027年に出ますよ!多分ね…
…X(Twitter)上でお薦めやいいねやコメントを寄せて頂いた皆様にこの場で御礼申し上げます。本当にありがとうございました!お薦め頂いたものはサブスクにあれば基本的に聴いております。全部に感想を書けなくて申し訳ありません🙇
末尾に資料として感想を書いたもの書かなかったもの全曲聴いたもの途中で挫折したもの含めて聴いたもののリストを掲載しておきます。
最後までお読み頂きありがとうございました!
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こんにちは。#2017年発売洋楽マラソン を終了します。noteにまとめましたのでご覧頂けると嬉しいです。(ベスト20も選びました)
— kikix (@kikix25) November 4, 2024
お薦めやコメントやいいねを寄せて頂いた皆様、ありがとうございました。全てに感想書けずごめんなさい🙇
さよなら2017年!https://t.co/UtYt2VgBt1