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【恋愛系】添い寝ボイス②

ん……どうしたの、眠れない……?
いやなことでもあった?
……うん。……うん、そっか。
偉いね。俺(私)も頑張らなきゃな。
……え? 特別なことはしてない?
なに言ってるの、俺(私)は元気貰ってるから。
……ちょっと。
そうやって自分を卑下するの、よくないから。
……どうして? って……わかんない?
俺(私)は君のこと大切に思って、尊敬してる。
そんな君が君を否定したら、
俺(私)ってなんなの? ってなるじゃん。
……ちがう、謝るとかいらないって。
怒ってるんじゃなくて、悲しくなるから……さ。
ってなんか、まじめな雰囲気だねこれ。
じゃあ、寝れないんなら、お話でもしようか。絵本みたいに。
……子供扱いなんてしてないってば。
からかってないって、もう。
いいからほら、目、閉じて。
俺(私)のお話聞いてみてよ。
こほん。(咳払い)
『あるところに、小さなお姫様(王子様)がいました。
 お姫様(王子様)はいつも、
お城のベッドで眠るのですが、
大きなお城の中でひとりぼっちでした。
 お姫様(王子様)はお空に向かって、お願いごとをします。
 “ひとりはさみしいです。
一緒に寝てくれるおともだちが欲しいです”
 するとお城のなかに、ひゅーっと風が吹き、
窓が開いて、クマがやってきました。
クマはお姫様(王子様)の隣に座って、
“僕が一緒にねてあげるよ”
と言いました。
お姫様(王子様)はとても嬉しくなって、
クマをぎゅっとしました。
お返しに、クマもお姫様(王子様)をぎゅっとして、
ふたりはくっついたまま、眠ることにしました。
お姫様(王子様)は、もうさみしくありません。
でも少し心配になって、クマにこう聞きました。
“クマさん、明日も一緒にねてくれる?”
クマはこう答えました。
“もちろんだよ。これからずっと一緒にねてあげる”
お姫様(王子様)はとってもとっても嬉しくなり、
クマをまたぎゅっとして言いました。
“私たち、ずっとおともだちだね!”
ところがクマは、首を振ってこう言いました。
“ごめんね、お姫様(王子様)。
僕は、お姫様のともだちにはなれないんだ”
そうしてクマは、お姫様の頭を撫でてあげるのでした』
……おしまい。
……え? 変な終わり方?
ふふ、だってこの続きは、話の中じゃ出来ないから。
ほらこっち来て。頭撫でてあげる。
いいこ、いいこ、よしよし。
……。
ね、クマはどうして、
お姫様(王子様)と友達になれなかったかわかる?
……ふ。顔赤くしても、答えになってないよ。
俺(私)に言わせるって、結構ずるくない?
……もう、仕方ないな。
わかってるだろうけど、言ってあげる。
答えはね、
――クマは、恋をしてしまったから。
……顔、熱くなってきたね。
じゃあもう一度目を閉じて。
俺(私)のお姫様(王子様)。
(リップ音)※必要なら

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