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緑のゆびが教えてくれたこと

なんか映画の邦題みたい。

さて前回↓

こうして、わたしは緑のゆびで働くことになったのですが…

わたしが知っている絵本は自分が子どもの頃に読んでいた本だけで、お店に並ぶ本はどれもはじめて出会うものばかりでした。

店主の𠮷井さんや玉越さん、お客さんからたくさんのことを教えてもらう毎日。
それは今もまったく変わらないのですが。
(みなさんいつもありがとうございますっっ)

はじめのころは𠮷井さんにもらった“緑のゆびの絵本リスト”を握りしめ図書館に通う毎日。
空いた時間はずーっと絵本や児童書を読んで過ごしていました。

どの本もすばらしく面白くて、
もう、楽しくて楽しくて楽しくて。
とにかく最高な毎日でした。

たくさんの物語のなかで夢中になって泣いたり笑ったり…

絵本を開けば、それまでザワザワしていた思考や感情が鎮まって、いつのまにか、自分の真ん中のすごく静かであったかいところに帰ってくる。

そんな感覚になりました。

振り返ると、自分の内側がみるみる満たされていった時期でした。


緑のゆびは、子どもはもちろん大人もたくさん集まる場所です。

お気に入りだった一冊を見つけて愛おしそうに手にとる方。
その本との思い出を子どものような表情でお話してくださる方。
大好きだった絵本をずっと探されている方。

みなさんとお話している中で、

「やっぱり、絵本って大人にとってもこんなに大事なものなんだ…」

と、あらためて気づかせてもらいました。


緑のゆびと出会う少し前。
子どものころに読んでもらった絵本をふと思い出したわたしは、なぜだかわからないけれど自分にとってそれがとても大事なことのような気がしました。

その時はわからなかったけれど…

「小さい頃に大好きだった絵本は大人になった今もずっと自分の真ん中に住み続けていて、気づかないところでいつもそっとわたしを支えてくれていたんだ…」

自分の子どもの部分をずっと否定するように生きてきたわたしは、緑のゆびで初めて、絵本を抱えたちいちゃな自分と手をつなぎました。

うぅぅ。。ありがとう。。

「よかったね!よかったね!」

ねこたちが、ねずみたちが、どろぼうたちが、他にもたくさんたくさん……みんなが祝福してくれました。(え、気のせい?)

とにかくみんなありがとうー!

すぐれた子どもの文学は「人生は生きるに値する」ということを伝え続けてくれると言われたのは、児童文学翻訳家であり、評論家である清水眞砂子さんでした。
それらの本は、子どもたちだけに限らず、心が萎えそうになっている大人をも、人間への信頼を失うことなく、生きる希望と勇気を与え、支えてくれることが、少なからずあるのです。
1冊の本との出会いが人生を変える、そんな本の力、ことばの力を、私たちは信じています。「緑のゆび」が、そのような情報を発信し、本と人、人と人とがめぐりあえるささやかな場所になれることを、心より祈っています。

緑のゆび HPより


2022年の1月にオープンした『緑のゆび』

このあたたかい祈りのメッセージが、じんわりと、お店に来てくれたたくさんの人の心に届いていることを感じます。

そして、
緑のゆびとの出会いによって、生きる希望と勇気をもらい、自分の人生を涙が出るほど愛おしく感じるようになったのは、スタッフであるわたしも同じでした。


わたしは緑のゆびで、たくさんのことを教えてもらっています。


それではまたっ。


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