ライトの行方

先日、朝の会社に行くために自転車に乗ろうとした際に違和感を感じた。
何かがおかしい。そしてすぐにわかった。
ハンドル部分にベルトを巻きつけてそこにレールが付いており
スライドして挿すタイプのライトを取り付けていたのだが
そこにはベルトだけが残っていた。
「ライトがない・・・」
それでも地球は回っている。
とりあえずそのまま自転車に乗り会社に向かったのだが
頭が混乱していた。物を盗られるのは久々だったからだ。
不思議と怒りはなく、悲しみの方が大きかった。
充電式だったため取り外しが簡単なのはよかったが
逆に盗るのも簡単というわけだ。
ここ数日はいつもの職場ではないところに出勤していたため
自転車には乗っていなかった。
ということは普段その時間に自転車の出入りをしている
住人が犯人だと私のゴーストが囁く。
しかし遊び半分で物を盗ったり壊したりということは
全くやってこなかったわけではないのである意味因果応報だ。
そこは割り切っているので別にいい。
それより予想外のことが起きたことに少し動揺してしまった。
まだまだ修行が足りない。
こういうときは人生に試されていると感じる。
「さぁライトなくなったぞ。どうする?」と
昼休みに同じライトを注文したのでとりあえずはOK。
こういうときはネタにするしかないので同僚に話した。
それなりにネタになるのであればヨシとしよう。
ちなみに私は同じネタを話すのは3人までと決めている。
なのでこのネタはあと2回使えるのだが
ここに書いたので1回とカウントしよう。
バッドなことは生きてりゃいっぱいあるので
そういうときは話のネタが増えたと思うことにしている。
引き出しにしまって腐ったものや既に忘れてしまったことも多々あるが
人生において失敗はたくさんしてきた方だと思う。
たまに思い出して「うわぁ・・・」となることもあるが
次に同じ失敗をしないためにもこの「うわぁ・・・」は大事にしたい。
人生はコントロール出来る部分と出来ない部分があると
頭では十分理解したつもりでも、体験すると改めて理解出来てなかったなと感じる。
それと同時に暗い道を毎日照らしてくれていたあいつへの感謝も。
普段身近にありすぎて有難さがわからなくなってしまっているものは
多々あるが失ってからしかそれはわからない。
家族も友達も恋人もスマホもネットも自転車のライトも車のマットも。
それを思い出させてくれた犯人へ感謝の気持ちを込めて言いたい。
「マザファカ」

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