ヒト対モノは、AIの領域。ヒト対ヒトは、まだまだ人間の領域なんです。
この前、チャットGTPを試しに使ってみた。感触は、Wikipediaのカスタマーセンターと会話してるような感覚。会話というよりは、WEB上のチャット相談の、ヨロズ版。まあ、現段階ではそんなレベルだが、今後はもっと個々の生活上のあれやこれやに影響を深めていくのだろう。
そういや、日常生活で「これ、どーなのだろう?」という物事に対して、今はGoogleで検索すれば大抵は片付く。電化製品のバグや故障、iPadの不具合、自治体の手続きやら不動産購入にまつわる法的なあれやこれやなど。
「ヒト対モノ」の問題は、スマホあればだいたい解決できる。もう、AI任せで事足りる。対して今現在、あらかた炙り出されてくる「未解決な悩み」は、人間関係や、恋愛夫婦関係家族関係など「ヒト対ヒト」の悩みなのではないか。
わたしは現在、住宅関係のお仕事の関係で、着工中の建築現場に顔を出したり打ち合わせに出向いたりする。大抵の現場ではAMラジオが何となく流れており、その日はちょうど昼頃で「ラジオ人生相談」が聞こえてきた。
相談者は老齢の女性で、お悩みの内容は「親子関係」。娘と息子を厳しく育てあげた結果、折り合いが悪い、みたいな内容。(途中から聞いてたので、あまりにもざっくりだが。)相談を受ける先生は、既出のチャットGTPのような「Wikipediaの延長」的回答ではなく、相談者の言葉、声のトーン、そのパーソナリティに寄り添い、質問で引き出して聞いて、その上で相談者の質問に対する「落とし所」を一緒に見出していく、という見事な「大岡裁き」であった。
BS世界のドキュメンタリーで、元メジャーリーガーのアメリカ人MCベンさんが、大谷翔平の凄さ、素晴らしさに迫る回を視聴した。
その中でのインタビューで、大谷自らが語る。『18歳で、メジャーリーグに「投手として」デビューする道もあったが、日ハムだけが「二刀流」で招いてくれた。だから、日ハムに決めた。メジャーに行ってたら、二刀流は諦めてた。』とのこと。そこから、栗山監督と大谷選手との師弟関係のストーリーになるのだが、まさにこれだ。
結果、大谷選手は日ハムでの二刀流の実績を経てメジャーに移籍し、打者としても投手としても、アメリカメジャーリーグの歴史を大きく塗り替える偉業を果たすこととなる。ヒトは、ヒト(相手)を信じて確信し注力したら、誰も想像もし得なかったような、とてつもないレベルまで導くこともできる。それは、もしかしたら統計学とかでいう「確率」で言えばとても低いかも。だけど、AIが導けるのは所詮、「前例」止まりだ。
ヒト対ヒトは、つまり「心対心」。お互いの心意気が共鳴させるのは、即ち当事者同士でしか成り立たない訳で。この部分は、AIではまだまだ無理なのではないかと。