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家づくりは「小っ恥ずかしさ」との戦い

結婚して、子供もできて、例の如く賃貸の部屋が手狭になって、「第一なんでこんな部屋選んだんだ?!」と夫婦の泥試合もひと通り経たのちに、2人目も産まれて、「まあ、家づくり考えなきゃですよね」と落ち着いた。(4年間のダイジェスト)

私は住宅業界に入って丸2年。齢44歳の遅れてきたルーキーな訳ですから、「お施主様の気持ちを追体験しよう」ということで、勤め先で新築のお家を建てることに、夫婦で決めた。

そしてその段になって感じるのは、多くのお客様同様に「土地からの新築ってのは、とても高価」「だからこそ資金計画は大事」ってことと、私の性格的なところが直面してることは、「新居を建てるってのは、全包囲網で小っ恥ずかしい」ということだ。

「新しい家族が出来て、家を建てる」ってのは、「お正月に羽子板で遊んで顔に墨で落書きされる」「巨人にドラフトで入団してベンツを買う」「芸能人になってお正月はハワイで過ごす」「同窓会の二次会のカラオケでリンダリンダを入力する(歌う)」「夏休み明けに茶髪で登校して停学を喰らう」「子どもの運動会で、張り切ってアキレス腱を切る」的な、「ベタの極地」。だと思っている。

でも、奥さんはそういうの平気な人。ベタこと王道。ベタこそ、正解。ベタに幸せがあると信じるタイプ。ベタを避けることは不幸を選択すること。(いや、直接聞いたわけではないが、多分そう。)

そういえば、モデルハウスに来場されるご夫婦でも、「奥様がお家づくりに前向きで、旦那様がちょっと気後れしてついてきてるタイプ」の方をよく拝見する。あゝ、この感じなのか。この旦那さまの気持ちが、今なら痛いほどわかる。

でも、小っ恥ずかしさは、武器にもなる。つまり、「小っ恥ずかしい→常に冷静な視点と意見を持てる」。ある意味、客観的で、コスト面や使い勝手などで的確かつ少々耳の痛いアドバイスを発信出来る。いわば嫌われ役。「オンステージ」の奥様に対して、舞台監督やプロデューサー的立ち位置。でも、いいお家にはそういう「夢と現実」の落とし所を明らかにする役目は、必要不可欠。

私が家を建てるなんぞ、ガラにもない事なのは百も承知。でも、ガラにもない事をあえてやるその刺激(ストレス?)を楽しんでこそ、得られる経験や見識も有ろう。まさにダモ鈴木イズム!
(ダモ鈴木イズムについては下記)


私的に「ベタを避けずに、ベタを最高の落とし所」に持っていけたなら、それは私自身の成長としても、ひとつ大きな一歩だ。私は、もう一人ではない。「家族のための棲家」をクリエイトするのだ。

つまりは、ひとり、好きなものに囲まれてわちゃわちゃしていた頃の私からの、卒業興行でもある。

果たして、どうなるのやら。

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