ネトフリ「light house」で、心が軽くなった(鑑賞報告)
Netflixのオリジナルシリーズ「light house」を観た。オードリー若林さんと星野源さんという40代の男性2人のトークショー。テーマは、「悩み」。全6回で、バラエティというよりは、エッセイや、対談としてタイトにまとまった、とても有意義な時間でした。
今やそれぞれが「お笑い」と「音楽&俳優」という他ジャンルで大活躍する2人だが、元々20年くらい前に、若手中心の大喜利イベントで共演していたとか。当時は2人とも「何者」でも無く、全てに苛立っていたあの頃。そして時は経ち、それぞれのフィールドでトップランナーになった2人が、かつてを、今を、そして未来を「悩む」姿を赤裸々に語り合う。
そう、仕掛け人はウエストランド「佐久間さーん!」でお馴染みの、あの佐久間さん。
私も40代。悩めるおじさんだが、とても勉強になるいい時間だった。
このお二方、それぞれの業界の大きな変遷の狭間を生き抜いてきた方なんですよね。
音楽でいうと、2000年代はメジャーレコード会社がバリバリに幅を利かせていた時代から、2010年以降はサブスクなどの台頭でレコード会社がジリ貧になった。「メジャーデビュー」という言葉があまり意味をなさなくなって久しい。国民全てが口ずさめる国民歌など、生まれなくなって久しい。星野さんが「売れるって、何?!」と言っていたのが印象的だった。
お笑いも、M-1グランプリが開始したのが2000年代初頭。より「夢がある」ジャンルとして脚光を浴び始めた頃。関西の吉本勢一強の「ドロップアウト組の成り上がり構図」「暴力やパワハラで支配する雰囲気」はまだまだあれども、「そうではない笑い」も求められつつある。若林さんが掲げる「人を傷つけない笑いを目指す」は、とても「強い」と思った。賞賛に値するし、期待しかない。
もはやそれぞれのジャンルで大御所となった2人は、それでもイラつくし、悩みは尽きない。そして、責任も増え、忙しくなり、仕事に飽きても、未だに「未来に、現在に、悩む」。
結婚してない頃は、独身の不安を抱き、結婚したらしたで、幸せだが、悩みは新たに芽生える。人は悩み、悩みながら動き、ある時「ヒュイ!」と、何気ない外的刺激で答えが降ってきたりする。「悩んでる時間も大事」だとか。
悩んでいいんだな。クヨクヨすることに対して、自分はそういうものだと、半分諦めるくらいの心構えでいいのだな。
何より2人の話を聞いて感じたのは、「自分に何があるか」を分かり、武器にし、貫いたこと。「貫くしかなかった」、とも言えるかもだけど。貫きつつ、そんな中「時代の波」に乗り、流されて今がある、という言い方を若林さんがされてた。
変な自己啓発本読むよりも、あなたの心に寄り添う、名作ですよきっと。