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残念な家つくりの第一歩@木造住宅の耐震性のお話
住まいを検討するタイミングっていつでしょうか?
おそらく、お子様が生まれ、賃貸だとちょっと手狭に感じ始めたとき。
私の顧客ではお子様が3歳~8歳ぐらいのころが一番多かったです。
お子様が保育園・幼稚園・小学校となると、親同士の付き合いもあって、「Aさんも家買ったんだって!」
「うちも家を検討してみようか!」
という、流れが一般的でしょうか。
では実際に【 家を買いましょう 】というときに、何から始めますか?
地域の住宅展示場に行きましたか?
それとも地域の不動産店舗に行きました?
昨今はネットで検索して物件情報を集めるのが一般的でしょうか?
私は買い物は買うまでが楽しいタイプの人間なので
このような悩みはウエルカムなのです。笑
しかし、まったく知らない業界だと、やっぱりネット検索が一番多いと思います。
住宅一戸建てはとても大きい買い物です。
そしてネットの普及によってさまざまな情報が手に入る時代です。
そのため、なにを基準に判断したらいいのか?
逆にわかりにくい時代になったともいえます。
では住宅一戸建ての判断基準はなんでしょう?
『住宅一戸建ての選択』をすごく抽象的にすると
建売住宅or注文住宅の二種類だと思います。
建売住宅と注文住宅、どっちがいいんでしょうか?
しかし、その話をする前に大切なお話をひとつ
なにより住宅一戸建てを検討するときに一番気になることがこれだと思います。
木造住宅の耐震性のお話です。
実際、新築の打ち合わせで必ず質問があがるのは
「地震が来ても大丈夫ですか?」という質問です。
人生で一番大きい買い物といわれる住宅です。
近年の地震も多いと実感しています。
そのため安全性の確認はマストで大切なことなので当たり前の質問です。
そこで説明するのが耐震等級の話です。
耐震等級とは
耐震等級とは法律で建物に必要な耐震性を定めた基準になります。
耐震等級が1~3の3段階あります。
等級1
数百年に一度程度の地震に対しても倒壊や崩壊しない。
数十年に一度発生する地震は住宅が損傷しない程度
等級2:等級1の1.25倍の耐震性
等級3:等級1の1.5倍の耐震性
現在の建築基準法では最低限の等級1の建物でなければいけません。
これは私の個人的な意見です。
私としては等級1でも問題ないと思っています。
ちなみに私の自宅は耐震等級1です。なぜなら・・・
自宅を設計するときに最初は税制優遇もある長期優良住宅にしようと思い耐震等級2の住まいを建てようとしました。
しかし開放的な天井の高さがほしくて二階を登り梁で広々設計をした結果、構造的な数値が届かなくなったので耐震等級を諦めました。
性能より住み心地や雰囲気を優先するべくリビングの天井の高さを最優先にしたのです。
私の場合、耐震等級がマストというよりも「税金的に優遇されている長期優良住宅にしようかな」ぐらいの軽いものでした。
それなので
建てる重要度も【 映え>>>耐震等級 】でした
そのため、長期優良住宅をサッと諦めて耐震等級1で建てました。
ではなぜ耐震等級1で建てようと思ったのか。
今の新耐震基準が決まったのが2000年です。
では2000年の建物と今の建物の構造って同じなの?っというとかなり違います。
基準は変わらずだったのですが、建物の強度は
プレカットの普及
構造金物の強化
集成材などの材木の進化
などなど
基準こそ同じですが市場競争の原理のごとく、構造強度は年々進化していきました。
べた基礎の普及
剛性の取り方
金物の取り付け
新耐震基準に以上のマシマシの耐震性の向上。
日本のものづくりのすごさだと思います。
正直現場としては「どれだけやるねん!」という感覚もありました。
そしてもう一つの理由。建物の寿命問題。
家に長く住めるのが理想です。
しかし実際問題40~50年に一度は建て替えが必要だと思います。
だって今でも50年前の建物に住もうと思わないでしょ?
50年後に今の住宅は古臭くなっています。
そして
50年後には50年後の新しくて新時代的な建物があるわけです。
50年後の新築物件はきっと・・・
最新のキッチンはビルトインで自動調理器が入っててボタンひとつで料理を作ってくれたり、洗濯機も干すまで全自動!
そんな未来だと思うんです!(笑)
今の子供たちが大人になったらそんな建物に住むのが普通になるんだと思います。
特に高温多湿のこの気候。
そしてこれからはもっと気温も上がっていくのでしょう。
その環境に対応するべく日本の住宅も進化していくはずなのです。
なので日本の木造住宅って建て替え前提だと思っています。
これは完全な個人の感想ですが
そんな木造住宅に数百年に一度の地震の対策で等級3ってコスパどうなんだろう?っと思っています。
もちろん、地震が心配なんです!っというお客様もいらっしゃいました。
リクエストがあればちゃんと耐震等級2で建てていました。
たぶん、等級3は住宅では作ったことないと思います。
建築会社によって耐震性は変わるのか?
という心配もありますが
今は中間検査、瑕疵担保責任保険の検査、完了検査などで構造体の検査がとても厳密に行われています。
そのため、建売だろうと、注文住宅だろうと
実はどこの建築業者でも問題ありません。
国のお墨付きの等級通りの住宅を建てています。
これはあの耐震偽装事件からより一層厳しくなって十分過ぎるほど担保されています。
耐震性については等級を選んでしまえば建売だろうと注文住宅だろうとその等級の建物がちゃんと建ちますのでご心配なく。
建築業界に20年いましたが、本当にすごいスピードで進化したのを目の当たりにしました。
それが今の日本の木造住宅なのです。
以上、木造住宅の耐震性のお話でした。
次は建売住宅のお話をする予定です。
今日も読んで頂いきありがとうございました。