残念な家づくり@一級建築士と二級建築士の違い・テレビの罪
卒業シーズンですね。桜も満開になって桜の名所では4月から入学を控えた子供が新しい制服を着て親と写真を撮っていました。
桜が満開で新生活へのドキドキワクワクもあり、好きな季節です。
さて、今日は住宅建築の設計事務所ってどーなの?っと題して書こうと思っていましたがちょっと横道に逸れて・・・
一級建築士と二級建築士の違いとテレビの罪
についてお話しようと思います。
ちょうど先日twitterのトレンドに某住宅リフォーム番組がトレンド入りしていました。
私は番組を見ていないのでどんな工事だったのかは見ていませんが、テレビで建築が取り上げられることも多くなりました。そこでテレビが作ってしまったひとつのイメージがあります。
それは、
一級建築士は素敵な住宅を設計してくれる。
という
間違い。
この場合『素敵』という言葉には「なんてことでしょう~」的なハイセンス、デザイン性の高さを含みます。
そして二級建築士は一級建築士ほどのデザインができない人の資格なんでしょ。
と一級建築士と二級建築の差はデザインの優劣だと思っている人も多いかと思います。
それは
大きな間違い
です。
そもそも建築士の資格は、建物の規模によって確認申請業務ができるというだけの資格であってデザイン性の優劣は全然問題ではありません。
簡単に言うと一級建築士は大規模ビルを設計することができ、二級建築士は3階建ての小規模の建物を設計することができるという違いです。
そこには
デザイン性の優劣は関係ありません。
もう少し深く切り込むと、建築士の仕事は「この建物を建てますよ。」という申請を行政にすることであって、間取りなどのプランニングは無資格者が行い、それを基に法律に適した建物に仕上げて確認申請だけを建築士がすることもあります。
建物が法令に遵守しているという確認のために必要なのが建築士の資格なのです。
また木造建築士もあるのですが、読んで字のごとく木造の建物を設計できると思ってOKです。
本来は設計できる建物の規模の差である建築士ですが、それをテレビで「なんでことでしょう!?」と建築士=デザイン性の高さを印象付ける結果になっていたと思います。
番組の趣旨はおそらく「建物の困りごとを設計で解決する。」だと思いますが、気が付けばデザイン性の高さを強調していたように思えます。
テレビの印象はとても強く
「一級建築士って素敵な建物を設計できるんでしょう?」
っという認識になっていると思います。
これって逆に一級建築士の人にとってはすごいプレッシャーだと思うんです。
正直に言うとデザイン性の高さって勉強で超えられない壁があるので全然デザインできない建築士って多いと思います。
でも有資格者もそれは良い印象だと思っているのか何故かあんまり否定する人いませんよね。
一級建築士でデザイン優先で挑戦して失敗している人をたくさん見てきました。これもテレビの印象の罪なのかもしれませんね。
一級建築士でもなかなか設計で食べていくことは難しいようです。ただ、そこにはプライドの高さもあったような気もしますが。。。
これから設計事務所で住宅を建てようとする人は一級建築士、二級建築士にこだわらずに良い設計をする建築士と出会うのが一番だと思います。
ちなみに今まで出会った建築士で一番素晴らしい住宅設計をしていたのは二級建築士の方でした。
今週の話は一級建築士と二級建築士の違いとテレビの罪について書きました。
では次週こそ、設計事務所ってどうなの?を書こうと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?