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アラ還乳がん油断したわけじゃないけれど

毎年元旦は義理実家へ。二日は私の実家へというのが常。今年は私の実家のみ。実母も高齢となり、子供たちを料理でもてなすのも大変になってきたというので、メインの寿司やローストビーフとポテトサラダなどのオードブルを近くのスーパーで買って帰ることになった。

雪のちらつく庭を見ながら、お昼に母が作ったお節や、テレビショッピングで買ったというズワイガニなんぞをポン酢で食べながら、母の通院の話を聞く。
たくさんは食べられないけれど 久しぶりに集まっての雰囲気は楽しい。私も、誰も手を付けないオードブルに添えてあるポテトサラダを突っつきながら、兄の話を聞く。1年もたつと母も慣れたのか、私の病気のことも訊ねなくなった。

天気が良くなってきたので外で車でも掃除しようかと道具を用意したあたりから、体調が悪くなった。食べすぎたかなと思ってすぐにそうではないと感じる。
私だけ。
以降私だけ、3時間にわたり、嘔吐と下痢を繰り返すこととなり、その回数が半端なく、私は誰もいない極寒の離れのトイレ前で布団にくるまり、寄せては引く波にヘロヘロになった。

ノロか?なら、後で次亜塩素酸ナトリウムで掃除しなきゃ。母が感染したら大変だ・・・。
波が弱くなってきたところでググる。
この様子と速さじゃ、黄色ブドウ球菌腸炎・・・か。
私だけということは、あのポテトサラダか・・・。あのちょっと添えられたポテサラか・・・。

あぁ、私だけでよかった。
母なら入院だろうし、息子なら私が生きた心地がしないだろう。
オットなら・・・どやろ、ま、いいか。

とにかく自分の布団で寝たいとオットに頼んで連れて帰ってもらう。レジ袋の持ち手を両耳にかけて、いつでも吐ける体制で車の後部座席で毛布にくるまる。老ノ坂峠のカーブで吐く。車酔いなのか余波なのかわからない。


職業柄か、性格か、食中毒には神経質になっていたつもりだったけれど。
油断したわけじゃないけれど。
ポテサラが犯人と決まったわけじゃないけれど。


翌日にはすっかり良くなった。
職場復帰もあるのに。
体調管理、気を付けないとと思って気を張っていたのに。


えらい目にあった。


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