〜王国のワールドカップ〜【南米周遊紀no.3】
9/Dec/2022
なんだか朝から外が騒がしい。いつも平日にも関わらず夜な夜な騒いで飲んでるブラジル人は、朝は基本的に静かなのだが、今日はなんか違う。外に様子を見にいってみると、そこには黄色のシャツを着ている人がたくさんいた。
そうだ。
今日は2022年カタールワールドカップベスト8の試合、ブラジル対クロアチアがあるのだ。平日の真昼間であるというのに、国民はカナリア色のユニフォームやシャツを着て、試合前にビールを片手に騒いでいる。もし日本がクロアチアに勝っていたら、本当に最高な試合を超アウェーな地で見れて面白いことになっていただろうなと日本人の1サッカーファンである僕は思ったが、気持ちを切り替えて王国ブラジルを応援しようと決めた。
さっそく、街に繰り出してブラジルのユニフォームを買おうと出歩いた。サッカーファンとしてカナリア色のユニフォームはどこか憧れがある。キオスクで明らかに偽物のちゃっちいユニフォームを見つけたので、さっそく値段交渉に入る。正直安く買えれば何でもいい。
僕「これいくら?」
ブラジル人「ゴニョゴニョ」
マジで何言ってるかわからんかった。彼らが英語を話せないのと僕がポルトガル語を話せないのをすっかり忘れてた。携帯を取り出して電卓アプリを表示。ブラジル人は70R$(2,100円弱)と記入してきた。安い。けどもっと安くできそうだなって直感が働いた。なによりその時現金を50R$しか持ち合わせてなかった。
僕「安くしてよ、50R$しか持ち合わせてないんよ」
ブラジル人 「ゴニョゴニョゴニョ」
また何言ってるかわからなかった。多分向こうにも伝わってない。けどゴリ押しで50R$札を見せ続けた結果、購入に成功した。言語が通じなくても意外と何とかなるもんである。
購入してすぐに着替えて今度はテレビがついてて、昼ごはんを食べながら座って試合が見れそうなレストランを探していく。目星をつけていたところはどこも埋まっていた。道路に溢れんばかりの黄色のユニフォームを着ている人がいるからだ。ここブラジルは、コラソン(ブラジル代表の呼称:ポルトガル語で心臓)の試合がある日は、全てが止まる。なぜなら、国民がコラソンの試合を見るためにテレビの前から動かなくなるからだ。学校は休みになるところもあるし、飲食店以外の店は全て閉まるし、会社員は仕事を中断するしバスの本数はほぼなくなる。実際にその文化を肌で感じてブラジルが王国たる所以を感じた気がした。国民全員がサッカーを愛してコラソンを誇りに思っているのだ。
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