妻の帰還②
保育園の先生から「園でお母さんの話を全くしないんです。なにか溜め込んでいなければ良いけど…」と言われた、その日の夜。
いつも通り仕事の後に保育園に迎えに行く。
長女も次女も変わりはないように見えた。
いつも通りお風呂に入ってご飯を食べて布団に入った。
いつも通り、漢字の「小」のように、両脇に子二人を抱えた形だ。
「オヤスミ~」と声を掛けた数分後…ポソッと長女がつぶやいた。
「…母さんに会いたい…」消え入るような声だったが、直後に堤防が決壊したかのように、手足をバタつかせて「母さんに会いたいー!」と泣き出した。
次女もチュッチュしながらもらい泣き。
俺は二人をヨシヨシと撫でながら、明日会いに行こうと宥めながら、二人を寝かしつけた。