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食糧ができなくなる時代はすぐそこ(残念だが)

この写真は春先の当農場の小麦。南部小麦を作っている。この後にイノシシに電柵を突破され、一部やられた。また、今年は暖冬の影響で収量はかなり少なくなった。冬越しの作物にとっては冬の寒さも成長には重要なことを痛感している。植物は寒さで栄養を体内に蓄えたりするのだ。気候変動の影響が肌で確認できることにある種の恐怖を感じている。

小麦についていえば、お世話になっている製麺所からわざわざ連絡があり、「今年は小麦の赤カビが異常発生しているので注意してください」とのこと。小麦は意外と病気が色々あって、黒穂病、赤カビも当農場では経験済みですが、非常に厄介な病気です。また、ここらでは当初は農林61号という小麦が過去に主流でしたが、病気がちになり作られなくなった。多分、気候の変化はそれにかなり影響している。

前にも書いたが温暖化の影響による温度の減少は生態系にかなりの影響を与えており、受粉などで大きな活躍をするミツバチはダニの異常発生により、数を減らしている。ミツバチについてはグリホサートというニコチノイド系の除草剤が大量に使われていることで、これは人為的に数を減らされている。さらにいえば除草剤の多用はゴルフ場の存在などもあるが、放棄された農地に雑草が繁茂しないように、せめてもの思いの感じ(?)で老人たちが薬をまいている。老人と書いたのは地方ではもう農業をやっているのは老人しかいないが、その人たちも身体が動かなくなっており、せめて除草剤ぐらいはまいているという状況だ。農業者人口の減少と地方の過疎化が現実となっている。

漁業でも魚の漁場が北上したり、東京湾でサンゴが確認されたりと異常な状況は各所で確認できる。夏場の高温によって、播種したばかりの野菜の芽が日に焼かれてしまったり、カメムシの異常発生は都市にも及んでいる。お米の砕米や白濁化はそういった虫の影響と夏場の高温が原因で、ここらでも暑さに強いお米の生産がはじまった。私が一番懸念しているのは、そういった作物ができにくくなっている状況に便乗し(?)、なし崩し的に遺伝子組み換え技術が導入されることだ。残念なことにつくば市の研究所では一般圃場でそういった作物の実験と言う名の実用がされている。

世の中では質の悪いブラックジョークのように「例年にない異常気象」ということが毎年のようにニュースなどで流れている。また、一方では国連や政府間などでは環境破壊を食い止めるような会議が永遠と何の取り決めもなされないまま続いている。環境活動家のような人たちは批判はしても行動しない。要は何が言いたいかというと今の異常気象というものはある意味、特に都会の人々は自らの首を絞めている自殺行為ようなもので、早急な行動が起きなければ、近い将来に色々な問題が起きることは確実だ。食糧問題はその主たるものだと思っている。お金や名誉がいくらあっても、それを食べて生命は維持できなのだ。

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