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幸せな記憶が忘れられなかった

私には忘れられない幸せな思い出がふたつある。

ひとつは、クラブイベントに行き、爆音で大好きな音楽に身を任せながら踊っていた時に味わった多幸感。
楽しくて幸せな気持ちで、なんなら脳内麻薬がばんばん出てるような感じで、一心不乱に踊りまくっていた思い出。

もうひとつは、お世話になっていた人が開いたイベントで気兼ねしないメンバー数人の中で何も考えずに楽しく酔っ払って幸せな気持ちで笑っていた記憶。

どちらも、もう15年以上も前のこと。
当時いたコミュニティを自分から離れ、人間関係も変わり結婚と離婚があった。
離婚後もいろんなことがあった。
今は人間関係に恵まれている。

でも、あれらを越えるような幸せな気持ちを味わうことは、今まで一度もなかった。
だから、このふたつの思い出は、自分の中でとても眩しい楽しい幸せな記憶として、ずっと鎮座していた。
言うなれば、思い出にずっと囚われていた。
あれらを越える経験はできないのでは無いか、と。

そう、今年まではね。

今年の9月にTHE SPELLBOUNDのライブに初めて行った。
好きなサウンドだった。それはわかっていた。
澄んだ歌声と美しい歌詞とメロディ、重厚な音とアグレッシブな演奏に浸って楽しく踊っている最中に、昔味わった多幸感がやってきた。
あの時のような脳内麻薬は出なかったけど、ひとりでいるけど満たされて、温かく優しいものに包まれているような不思議な感覚だった。


そして今月、お世話になっているコーチングの先生と仲間たちで数年ぶりに忘年会があった。
仲間や先生と会う時はいつも少し緊張する。
みんなは順調に成長や進化して見えるし成果を出しているけれど、自分はまだまだできていないところが多いし、失敗ばかりだと比較してしまっていた。
もちろん、今も自信はないし、みんな順調なんだろうなぁという気持ちはある。
でも、なんだろう。
すごく、先生と仲間がいる場所がとても安心できた。
安心して楽しくてお酒が進み、しこたま酔った。
記憶がないくらい酔った。
でも、安心して酔えるくらいとても楽しかったのだ。

今年のこのふたつの経験は、私が今まで囚われてきたあの眩しい幸せな思い出を上回り、記憶を書き替えてくれた。

自分から離れて、でも眩しい思い出としてずっとずっと忘れられなかった。
でも、ようやくあの頃が過去になったんだと思えた。

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