「ジョーカー フォリ・ア・ドゥ」考察10 なぜ検事がハービーデント、トゥーフェイスなのか
⤴︎こっち先読んでね
今作の裁判の検事はハービーデント、知っての通り、バットマンのヴィランであるトゥーフェイスだ。
正直バットマンの原作の知識はまったくないし、トゥーフェイスがどのようなキャラなのか設定以上のことは知らないので、今回の考察は歯切れが悪くなってしまうかもしれない。
ハーレイクインがアーサーにジョーカーの側面だけを出すことを求めたように、弁護士がアーサーのアーサー側の面だけを出すことを求めたように、ハービーデントもまた、アーサーを片面だけで理解している。
ハービーというキャラクターが象徴しているのは、アーサーを悪の権化だと断罪している人たちだ。
序盤のインタビューでアーサーはインタビュアーに責められ、自身の優しさ、アーサー的な側面は見てもらえなかった。
人間の悪い部分だけを見て、アーサーを死刑に追い込む。
ジョーカーに影響された人が人たちが自身の思想や、金持ちは全員悪でバカにしてくるから殺せ!という人間理解の薄い価値観の元に人殺しをするように、ハービーもまた、アーサーの悪の象徴の部分のみだけを見て、人間理解の浅いまま、アーサーを死刑に追い込み誇らしげに振る舞う。
ハービーの中で正義の裁きを下したのだ。
裁判所の爆破でハービーは顔の半分を火傷し、おそらくこれがハービーデントからトゥーフェイスへの変化のきっかけになるだろうことはわかるが、どういう価値観の変化が起こるのかよくわからない。
アーサーの一面だけを見て評価し、一方的に断罪してきたハービーは罪悪感が湧き、人間の判断で善と悪を見極めることは難しい、だからコイントスで神の判断に委ねようという価値観の変化が起きたのかもしれない。
だがそこに至るまでの経緯は描かれないし、
ハービーの物語はサブプロットもサブプロット、ゴリゴリの脇役なので、想像に任せるしない。