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「ジョーカー フォリ・ア・ドゥ」考察15 まとめ 今作のテーマとは

冒頭のアニメーションに全てが詰まっている。
スターになったアーサーが自分の影に人気を奪われ、奪い返しと思ったらリンチされる。

アーサーがマレーを憧れのコメディアンとしてしか見てなく、自分を批判しバカにされたことに失望し報いを受けろと殺したように、アーサーにジョーカーらしさだけを期待し、裏切られたからアーサーを殺した名もなき男のように、アーサーのジョーカーらしさの部分しか見ていなかったハーレイのように、
ハーレイの嘘を気にしてはいるものの、見て見ぬふりして、ハーレイの愛を信じ続けたアーサーのように、アーサーのジョーカーらしさだけをみてバカにしたい看守、ジョーカーらしさのところだけをみてアーサーを糾弾するハービーデント、アーサーのアーサーらしさだけをみてジョーカーらしさを抑え込もうとする弁護士のように、今作は他者について100%理解しているキャラクターは登場しない。

これが虚像、妄想をみて信じるということだ。人間の一側面しかみないことも妄想なのだ。

ジョーカー1作目をみて、その複雑性を排してジョーカーを悪のカリスマとして神格化したファンたちに冷や水を浴びせるというテーマを徹底している

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