超高齢者の認知力の限界と見守りカメラ

私の祖母は95歳。祖父は数年前に亡くなった。私は同じ家には住んではいないが、買い物や介護ヘルパーさんとの定期ミーティング、バリアフリー用の工事の立ち会いなど、可能な限りよく行くようにしている。

私の家からは片道二時間くらいなので、毎日は行けない距離ではあるが、比較的近いのはありがたい。

高齢者といっても70歳前後の人と、平均寿命を超えた人とでは体力、認知力が大きく違うので、区別するために90歳以上の高齢者をここでは超高齢者と呼ばせていただく。

超高齢者にはもはや難しい意思決定を伴うことをさせてはだめである。

お昼のお弁当をどれにするか、とか、スーパーで何を買ってきてほしいかくらいを聞くのなら問題はないが、何か定期的にやってもらうとか、難しい判断を伴うものや指示を出すといったことはもう難しいと思った方がいい。超高齢者からは毎日生きるのだけで精一杯な感じが伝わってくる。トイレもそうお風呂もそう。毎週何曜日に請求書を持ってくるから支払い、というのもだめだと思ったほうがいい。

いやいや90歳超えていますが私の頭はちゃんとしています、という人も確かにいるとは思うが、朝起きてすぐ頭がフルに働きますとはまずならないと思われる。

以前、夏の暑い朝、祖母の家に行った時。クーラーが壊れていたのに初めて気づいたが、その時ギョッとしたのが、祖母は身体をピーンと張って立ち上がるでもなくでも目を開けて布団の上でじっとしていた。一瞬、熱中症か身体の具合が悪いのかと思ったが、そうではなかったようで、起きるにあたってのウォーミングアップのような感じだったらしい。エンジンがかかりだすのにとても時間がかかるのだ。朝起きたてのときは、目の焦点が合わないこともしばしある。

ただ、会話をしていくと、だんだんいつもの祖母らしさが戻ってくる。耳が遠くなっているが、大きな声で話せばわかる。祖母も自分のペースで話し出す。顔の表情も豊かになる。

以前、以下の記事を書いたけれど、高齢者をひとりぼっちにさせることで、たくさんのリスクが増えると思う。一日少しの会話でもいい。話をすると超高齢者でも脳は確実に活性化する。

今年買ったものでよかったものに、Panasonicの見守りカメラがある。特に高齢者に限定したカメラではなく、子供やペットにも使えるカメラである。

動きがあれば定点カメラで録画される。音も入る。カメラは縦型で場所を取らない。wifiとそのカメラを常につながるようにしておけば、常時リアルタイムで自分の携帯アプリから映像が見られる。画像をリアルタイムで見れれば良いと思ったのと、寝室の祖母の様子を録画までするのは気が引けたため、私はSDカードを挿入しての使用はしていないが、データを記録しておくこともできる。

赤外線対応もしており、白黒の世界にはなるが、夜の暗い部屋でも祖母が起きて通販のテレビを見てるな、といったことまでわかる。部屋の温度もわかるから、部屋のクーラーのスイッチ入ってないな、といった確認もできる。本当にありがたい。値段はそんなに高くない。確か2万円ちょっとだった気がする。

ポットを使ったら通知が行くといった高齢者のサービスもあるけれど、個人的には高齢者の様子はリアルタイムで画像で見るべきだと思う。何が起きているかわからないから。何か起きてからでは遅いから。

今も祖母の部屋から、カメラのアプリで通知がどんどん来る。今日もちゃんと寝ているようだ。見るととても安心する。

いいなと思ったら応援しよう!

花村みのり
よろしければ応援お願いします。執筆の励みになります。