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全知的な読者の視点から… webtoon分析

ジャンル:デスゲーム系×異世界転生チート主人公

全世界視聴回数が16億8千万回を突破しアニメ化を果たした「全知的な読者の視点から」を今回は分析する。

分析の観点は

①どこがどう面白いのか?   
②どこがどう読者に刺さっているのか? 
③何故ヒットしているのか?

の3つを1話~3話を語っていく。

分析を語る前に、同じ韓国作品でデスゲーム系で有名なのは「今、私達の学校は…」がある。
同じデスゲーム系だが両作品は全く別の作品だと言える。具体的には、

サスペンスの公式である
①キャラクターを気にかける気持ち
②危機的状況の不可避性
③結果の不確実性
に対して、

 「今、私達の学校は…」は①は後で②③の恐ろしい出来事がオンタイムで起きていく瞬間瞬間をじっくりと楽しんでねという作り方に対して、 
 「全知的な読者の視点から…」は①が先で、②③が迫って来る緊迫感は描かず、恐ろしいゲームがいきなり始まり、その中を括り抜ける主人公の活躍を楽しんでね という作りになっている。

👇「今、私達の学校は…」分析は👇から🍀


ここからわかることでかつ、私が「全知的な読者の視点から…」が面白いと思うのはたった一言で表せる

🌞アンダードッグ効果×驚きの展開の種明かしで読者にジェットコースターの感情体験と、好奇心を満たしているから

その為に、プロローグから1話目にかけて
🍀デスゲーム系を盛り上げるためのサスペンス作り
🍀主人公の独創的な特徴である “小説の唯一の読者”という設定

を上手く紹介し、活かしている点にある。

*サスペンス作りに関しては今回の記事では主人公への共感から同情を引くまでをメインで解説する。

🚩プロローグから1話目までに主人公への同情への導線作りと共感させる構成

🍀プロローグで主人公に関心を持たせ、1話目で共感からの同情を引くことに成功しているから、読者はデスゲームをハラハラドキドキ読めるようになっている。

〇1話目

🔧質問と答えないことによる関心の引き延ばしと普通のサラリーマンがめちゃくちゃ強くなっていそうなギャップをプロローグで描いている
 L 普通のサラリーマンが異世界で明らか様にめちゃくちゃ強そうな人から、「貴様は何者だ!?」と問われ、ニヤリと笑う

〇2話目

🔧🔧「立派な男になれ という名前」・「正社員に選抜された優秀な同僚ユ・アンサ」との対比で主人公の至らなさ(弱者男性)を描いている

🔧🔧🔧小学生から社会人になるまでに経験してきた出来事の中で、同情を引く出来事を描いている

🔧🔧🔧🔧 主人公の思考とその流れを丁寧にユ・アンサとの交流の反応として描いている

プロローグで読者に関心を持たせた主人公を徹底的に①同情を引く ②共感を誘う 構成にしているので、読者は1話目中盤の「そして このジャンルで 俺は主人公ではなく “読者”だ」を読んだ時に直観的に可哀想…と思ってしまう

次に、サスペンス作りから生まれる期待と好奇心と驚きについて解説する

🚩🚩アンダードッグ効果×驚きの展開の種明かしで好奇心を満たしている点

前提として、驚きを起こすためには、読者は物語の先の展開について何かしらの期待を持っていないといけない。期待とは"予想”のことである。その予想がいい意味で裏切られるから“驚き”楽しめるのだ。
「全知的な読者の視点から…」は期待感作りの仕組み化が非常に上手い

具体的には、
🔧読者劣位の関係で、これから何が起きるのかに好奇心を持たせる
 L 小説の内容を唯一知っている主人公がこれから起きることを暗示し、それを阻止・予防などをするために行動するパターンなので、読者は知りたい知りたいと読み進めてしまう。

🔧🔧デスゲーム特有のムードとサスペンスと心配の感情を持たせている
 L 長く説明する必要はないが、ムードや簡単に人を殺すトッケビや時限爆弾などのテクニックが詰め込まれている(パニック系作品の王道の手法)

そして「全知的な読者の視点から…」がただのパニック系作品に驚きというジェットコースター感を感情体験として味合わせることに成功しているのは、「主人公」が正攻法を知っているが、予想外の出来事が起きるのに、知恵を絞ったり、勇気を出して、一生懸命解決しようと立ち向かっていること。そしてその解決方法が主人公しか知らない情報だと読者に明かされることへの好奇心を満たしてくれる 【アンダードッグ効果】×【好奇心を満たす】構成で作っているからである。


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