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嫌悪 感情解説
嫌悪とは、不快に思う気持ちである。不快に思えば、ストレスがかかる。そのストレスをかけてくる相手が成敗されたら、ストレスから解放され、気持ちよくなれる。これは物語の勧善懲悪型のストーリーによく見られる。
私の中で嫌悪感を感じた作品といえば、尾田栄一郎先生の読切「モンスターズ」の一流剣士シラノである。命を救われ、シラノを尊敬しているヒロインを騙し続け、さらにヒロインの親を殺し、ヒロイン救出は自分の世間からの評判を上げるためというクソ鬼畜な行動を取るめちゃくちゃ不快なキャラクターである😠
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あとは、「ハリーポッター」のダーズリー家も不快😠。これはハリーという少年への尊厳を軽視し、息子との対応に差を出し、軽蔑する言動の数々が見ていて、嫌な気持ちなった。そしてハリー可哀想すぎ😭特に、自分のせいではない不幸は、その人にはどうにもできないことに巻き込まされているのでより可哀想に感じるのだ😭
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嫌悪感を感じるキャラクター作りは、他方のキャラクターを同情させたり、倒した時のスッキリ感を作ることができるので、物凄い大事である🔥
しっかりと定義から確認していこう👍
📚嫌悪感とは
嫌悪感とは、人や物への不快感や拒否感等の否定的な感情を持つこと。
具体的には、憎んだり、嫌ったりする感情を持つことである。
なお、嫌悪感は人によって千差万別である。
🦎嫌悪感を持つ2パターン
実は、嫌悪感は2種類に分類できるそうです。
📌1つ目が、原始的嫌悪感。具体的には、蜘蛛や蛇等といった本能的に・直観的に湧いて来る感情である。
📌2つ目が、思考系嫌悪感。道徳感情や社会的通念などと照らし合わせることによって生じる感情で、思考を司る前頭連合野が活性化することによって起きる感情である。
🔥嫌悪が発生するメカニズム
嫌悪が出現するメカニズム、人間関係についても似たようなことがいえるかもしれません。味覚ほど「一回で強烈に」とはならないかもしれませんが、何度も嫌な思いをさせられた相手に対して苦手意識を持つのは至極当然。相手は自分を脅かす存在なのですから、本能的に身構えるようになるのは自然なこと。
ところが、一族を乗っ取ろうとされているほどの根源的な危険があれば別ですが、現代社会ではそういった場面はまれです。会社や学校で嫌悪を正直にぶつけてしまうと、人間関係に亀裂が生まれかねません。嫌悪をぶつけられた相手も同じように、自分を脅かされた感覚になるでしょうから、嫌悪のぶつけ合いのループに陥ってしまうことも想像されます。
🌱道徳判断と嫌悪感の関連
📚道徳判断とは
嫌悪感を語る上で避けては通れないのは、道徳判断である。
道徳判断とは、ある行為を善とするか悪とするかの判断軸で、感情反応が入る。感情反応が善悪を決めるのだ。
📌嫌悪感の範囲とより感じる条件
また,嫌悪感情を喚起 するような行為(人間の死体を食べるなど)は直接的 損害がなくても悪いと判断される(Björklund, Haidt, & Murphy, 2000)。さらに,嫌悪感情を事前に喚起さ れていると,道徳違反シナリオを読んだときにより嫌 悪感を抱き,その行為に対する道徳判断も厳しくなる (Wheatley & Haidt, 2005)。つまり,少なくとも,嫌 悪は道徳判断それ自体と関連していると考えられる。
ここからわかることは、人は直接嫌悪感を感じることをされていなくても、自分に損害がなくても嫌悪感を抱くのである。これは私も感じる時がある。例えば、以前ドラッグストアで中年のおじさんが店員に向かって使い終わったスプレー缶を渡し、捨てておくように命令をした。店員さんが捨てることができないため返却した時に、「嫌だね」と拒否し帰ってしまうのだ。めちゃくちゃムカついた😠
また事前に嫌悪案を感じる人だと、次嫌悪感を感じる行為をするとより嫌悪感を抱きやすくなる。これは、鋼の錬金術師の1話目の邪教徒の禿げた男がロゼという恋人を亡くした女性を利用している情報を先に私は知っていたのでめちゃくちゃムカついた😠そういう理屈か!!
📌嫌悪感を感じやすい出来事の条件
Shweder, Much, Mahapatra, & Park(1997)は,道 徳判断の文化的側面に注目して,道徳性における3つ の観点の存在を提唱した(Big 3)。その第一は「自律 性の倫理(Autonomy)」であり,お互いの権利と自 由を尊重し,公平な社会的交換を行なうという観点で ある。第二の「共同体の倫理(Community)」は,集 団の秩序を乱すことなく役割・義務を全うするべきと いう観点である。そして第三の「神性の倫理(Divinity)」は,自然律の神聖さを汚すことなく清浄さや崇 高さを保つという観点である。人が道徳判断を行う 際には,悪さの理由としてこれら3つの観点をテンプ レートのように用いて,「この観点から考えると善い」 「この観点に反するものであるから悪い」という形で, 善悪の結論を導くとされる。
ここからわかることは、人は頭の中に判断基準を3つ持っていることだ。
1つ目が人の権利や自由などを、犯すもの。例えば、私は部活動をしていた時に、先輩からお前はこっちくんなよと集団に入るのを拒否された経験がある。つまり、仲間はずれである。めっちゃ嫌いになった😠
2つ目が集団の秩序を乱さずルールを守れるかどうか。部活動をやっていた時にチームの役割を全うしない人は嫌いだった。
3つ目が筋が通っているかどうかである。つまり言っていることやっていることが矛盾している人はムカつくのである😠
💡創作への活かし方
嫌悪を向けることが、キャラクターとキャラクターに"対立”を作るきっかけにできるというのは、大きな発見であると言えます。また、読者の道徳判断を把握した上でムカつく出来事や台詞などを考える必要がある。そして、先に嫌悪感を感じさせる場面➤より嫌悪感を感じさせる の順番の情報出しの仕方が大事である!
例えば、
📍① 「鋼の錬金術師」の邪教徒のコーネル神父は賢者の石の力を利用し集めた信者を利用し、悪巧みをしていました。そこに信仰すれば亡くなった恋人を蘇らせてくれると盲信しているリゼという若い女性が騙されていました。コーネル神父が最初に登場した場面で、コーネルが嫌な奴だというのが仄めかされていたので、読み手としては、コイツ嫌だなぁと印象付けられました。
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そしてその後鋼の錬金術師が面会に来ていることに対して、抹殺を企てます👈めちゃくちゃ悪者😠 そして金もうけだけではなく、「自分の為に喜んで命を捨てようという従順な信者で最強の軍団を作り、国を乗っ取る」という自己中心的な理由で人の想いを利用しているというめちゃくちゃムカつくコイツ😠
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このように、相手を騙し、利用するという道徳的に最低なことをやり、かつ、序盤から純粋な信者を利用しているという嫌悪を感じさせて、最後に腹黒い内面を露呈させるという、ムカつく条件×よりムカつかせる情報の出し方は流石だと思いました💡
📍② 次はWebtoon作品の「傷だらけ聖女より報復を込めて」に出てくるアリアンである。主人公の親友でいつも主人公を気遣い、味方でいてくれた。そして主人公の恋愛を応援してくれる存在でもあった…のだが……その気持ちを知っているにも関わらず、主人公の好きな人とくっつく、それも主人公の功績を自分の手柄にし、裏切る形で…めちゃくちゃにムカつく😠
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Webtoon作品は如何にこのムカつく😠嫌悪感を感じさせるキャラクターを作れるかが肝になっているなーと感じます。特にWebtoon発祥の韓国の作品はモブキャラがとにかく不快なんですよね(笑)
🍀最後に
嫌悪を感じれるキャラクターは物語を作っていくためには、必ず必要なキャラクターです。しっかりと作れるようにしておくことが作品作りの成功に繋がります!💡
📚参考記事
・臨床心理士が感情的になるメカニズムを解説|怒り・恐怖・嫌悪の対処法
・「嫌悪感」とはどんな感情のこと?意味・種類・例文・言い換え表現などを解説
・道徳判断と嫌悪感情 ̶̶神性・清浄基盤に着目して̶̶
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・感情解説 まとめ
・webtoon分析 まとめ 記事