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【解説】作品分析の観点 プロット編

たくさんweboonや漫画や映画の分析をしてきたが私が分析する時にまず考えていることをまとめます💡


参考にしている参考書は
・「感情」から書く脚本術

🚩プロット分析の観点

読者が面白いと思って貰えるかどうかは、理屈抜きで感じたいと望んでいる感情を体験できるかどうかで全て決まる。これしかないのだ。
具体的には
・楽しいという感覚
・期待する気持ち
・好奇心
・他者に共感する気持ち
・興奮
・魅惑
・恐怖
・希望
・知りたい気持ち
・緊張感
といった感情である。
プロットとは、これらの感情体験をして貰うための技巧のことである
ここからは技巧のチェック方法を伝える。

🍀読者が面白いと思って貰えているかどうか


📍Step1 単純な面白さを感じて貰えているか
what
-原因と結果で描かれているか
-キャラクターの目標・動機・特徴・態度・個性・欠点・失敗の代償等が明かされているか
-対立があるかどうか 
-変化 状況や発見や決断等の変化があるかどうか
-独創性と鮮度 目新しさ(独自の味方)はあるか
-洞察的な情報の提示があるか
-バックストーリー

 理想は全ページに読者は面白いと思ってもらうことだ。これらをしっかり描けているかを確認しよう🔥

📍Step2  次にどうなるか知りたい と思わせているか(好奇心)
How
-質問
-情報を隠す
-キャラクターに秘密を持たせる

 期待も結局は好奇心に紐づかないと意味がないのである。好奇心を持たせられているかどうかを確認しよう🔥

📍Step3 これから起切る出来事への期待を植え付けられているか 
植え付けられる期待感は、
・何が起きるんだろう
・起きるか?起きないか?
・いつ起きるのか?
・起こるといいなぁ
・起きると嫌だなぁ
の5つである。

この植え付けられた期待感が満たされた時、理屈抜きに刺激される本能的な感情を感じるのだ。3つだ。
・安堵 ああよかった~
・失望 ああ最悪だ~
・驚き えええええ

プロットとは、期待を植え付け、期待に応え、理屈抜きの感情を感じさせることである。
How
-キャラクターの特徴を作り込む
-キャラクターの目標を設定する
-問題解決、質問と答えを重複させる
-未来について話す
-計画と夢想
-約束と時間制限
-心配と予感
-警告
-マクガフィン
-ムード
-劇的アイロニー

📍Step4 サスペンスを作れているか

最も感情体験として読者が望み、かつ、ドラマを作るために役に立つのがサスペンスだ。ハリウッドで多くの脚本が不採用になるのはサスペンスと不確かさが不足していることが多い。必ずサスペンスが作れているかどうかを確認すること。

サスペンスの構成要素が描かれているか・機能しているかを確認する事

what
-①キャラクターを気にかける気持ち
-②危機的状況の不可避性が明確になっているか
-③結果の確実性 が描かれているか

whatが描かれていても機能していない時はhowを確認する事

How 
-苛立ちとご褒美の釣り合いを取る
-切迫させる
-邪魔する、阻む、こじらせる
-2つの出来事を交互に見せる
-結果を遅らせて緊迫感を出す
-主人公を無理やり見知らぬ場所に置く(陸に上がった河童)
-物に焦点を合わせる
-キャラクターをジレンマに追い込む
-内面に抱えた恐怖に向き合わせる
-危機を増やす
-隠されたものを露呈する
-さらに予想しにくくする
-読者の優位性
-読者に失敗の代償を思い出せてやる
-失敗の代償を大きくする
-不明確な動機を持たせる
-おかしな2人という状況を作り出す
-危険な仕事をさせる
-時間的制約、または時間制限を設ける(時を刻む時計)
-空間的サスペンス
-キャラクターの予期せぬ反応
-罠、または試練
-緊張感の解法

📍Step5 驚き/意外性 があるか
 読者は先が読めると面白さを感じなくなる。だから期待をいい意味で裏切る必要がある。予期せぬ捻りと展開を作り、読者を驚かせ、物語に夢中にさせよう。
 植え付けた期待感をいじる方法は
How
-予期せぬ障害物と混乱
-発見と露呈
-逆転
-秘密
-読者劣位
-衝撃
-引っ掛けと誘導
-お膳立てと種明かし
-奥の手(ライフライン)
-偶然(デウス・エクス・マキナ)
・緊張と安堵を組み合わせる

📍step6  笑い・スリル・喜び・悲しみ・勝利の感覚 があるか
 特にスリル・笑い・勝利の感情は外せない。あるかどうかを確認する事

what
-スペクタクル
-セックスとバイオレンス
-ユーモア
-脱出
-別離と再会
-勝利と敗北、または獲得と喪失
-因果応報

📍Step7 ドラマがあるか
最後に最も重要で読者が満足できるかどうかは、キャラクターの感情を理解できたかどうかである。それがドラマなのだ。ドラマが構成されているかを確認しよう。


ここまでは読者に面白いと思ってもらうために、感情体験をして貰うためのプロットの観点での分析方法でした。紹介した中でも特に分析する際に注意が必要なことも解説しておきます💡

・脳が読みたくなるストーリーの書き方

📡①対立があるかどうか
 人は対立を通して、物語を楽しむ。なので一番ないといけないのは対立である。そして、対立から生まれるサスペンスである。この感情体験が一番強いのだ。いきなり対立がなくてもいいが、“対立の可能性”の予兆を作れているかは確認すること。

how
-主人公が真実と信じていることvs実際の真実
-主人公が求めるものvs主人公が既に持っているもの
-主人公が求めるものvs主人公が期待されていること
-主人公vs主人公自身
-主人公の内面的なゴールvs主人公の外面的ゴール
-主人公の恐れvs主人公のゴール(外面・内面、あるいは両方のゴール)
-主人公vs敵対者
-敵対者vs慈悲(もしくはそう見えるもの)

📡②パターンがあるかどうか 伏線と伏線回収がされているか
 
可能性があることを伏線で示すのだ
what
-伏線があるか
-回収へ繋がる点や手がかりがあるか

how
-点を繋げて納得のいく形になっているか
-点を繋げて読者は結論を導き、次に何が起きるか想像できているか
-論理的に伏線回収が可能であるか

🍀終わりに
今回はプロットの分析を紹介した。プロット分析にはキャラクターの特徴なども入ってきているので、キャラクター分析と被る部分も沢山ある!ここだけ頭をごっちゃにしないようにしてください🌸

興味ある人はキャラクター編とフック編の分析も読んでみてください📍

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