夕暮れ症候群
note家の皆様、こんばんは!
高山市では、夕暮れ時に市内に流れる音楽があります。
地方によって異なるようですが、防災行政無線から定時に音楽が流れるようですね。
こちらでは、夏季の午後6時には「愛の鐘」という名称で「夕焼け小焼け」のメロディが、防災放送塔から市内に流れます。
外で、遊んでいる子供たちには「早くお帰り」と帰宅を促し、帰路にある大人たちには「お疲れなま」ではなくて「お疲れ様」の寓喩のプレゼントです。
そんな、メロディが人々を優しく包む、ほのぼのした情景ですが、その裏でこの時期に多いのは高齢者の行方不明です。
認知症の方には、特に多い「夕暮れ症候群」と称される症状が一因になっています。
昨年、全国での認知症疑いの高齢者の行方不明は、延べ18,700件、毎年増加しています。
対象者は、夕暮れを迎えると、なんとなく落ち着かなくなり、不安をうったえて同じ言葉を繰り返しながら歩き回ってみたりと、認知症の見当識障害の方には、今自分の置かれている環境や時間軸が理解できなくなるようです。
例えば、遠方から嫁いできた方が、夕暮れのタイムラインに乗っかることがトリガーとなって、自分の立ち位置は過去に戻ります。
そうすると「そろそろ夕ご飯の支度があるので帰ります。」などと言い残して、徘徊行動に移るパターンが多々あるようです。
はた目には、迷霧の中にいるような佇まい、しかし、記憶は正しいルーティンを指示しているだけ、本人の立場に立って冷静に考えれば、当然の行動と言えますね。
高齢者多いこちらの地域では、この時期所在不明の届け出多く、捜索に出かけることが多くなります。
立ち回り先を予測して、先行して無事に発見に至ることもありますが、残念ながら・・・のケースも多々あります。
特に独居老人家庭の場合には、家族の発見と連絡手段を確立するまでに時間がかかります。
加えて、疎遠のご家族では、過去の情報も殆どなく、探す手立ても皆無です。
高齢者の介護問題は、社会の見守りシステム全体を見直さなければならないと提唱されて久しいのですが、過疎化の地域と都会とでは格差があります。
一足飛びに解決できる問題ではないものの、身近で、できることと言えば、やはり声掛けだと思います。
いろいろなタイミングで、高齢者の方に声を掛けることで、普段と違う行動や反応が分かると思います。
おはようございます。さようなら。
基本の挨拶が、少しでも徘徊が少なくなるきっかけになればと思います。
みなさんの地域はどうですか。
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