世界の辺境と室町時代の共通点・相違点②
皆さん、こんばんは。
2回目をお送りします。
今回で世界の辺境と室町時代の比較はここまでとなります。
地元の文化や歴史を知るためにも時には、日本以外に視野を広げるのもより深く知るためにも役に立つかもしれない、と参考になれば幸いです。
伊達政宗のイタい恋
日本中世の古米の方が、新米より高価。これは以前応永の飢饉について語ったときにでてきたが、タイやミャンマー、インドもインディカ米は古米の方がサクッと軽やかでオイシイと感じる上に、腹もちが良いので、古米が同じように高価な状態のようだ。
ちなみに、タイ・ミャンマーは米をパスタのように茹でるらしいですよ。
日本が貨幣経済からコメ経済になったのは、信長の頃に石高制となった影響のようだ。
また、上座部仏教は大乗仏教よりもお酒に厳しい。たとえば、タイでも販売時間が決まっている上、税が高い。その影響か欲望の象徴として表現されるようだ。
逆に大乗仏教のブータンに行くと、お茶を飲むように酒が出てくる。日本も大乗仏教なのでこちらよりだろうか。
他にも上座部仏教では、男性は一生のうちに一度は出家すべきという考えであり、代わりに出家の時期も期間も自由で短い人だと3日間。長い人だと何十年となる。
日本中世では出家は片道切符であり、世俗との縁切りの意味があった。
トルコのイスタンブールでは、野良犬がいそうな場所に、代わりに猫が寝ている。これは、イスラムでは、犬はけがれた動物だと見なされていたが、猫はネズミを駆除するからいい、という考えだからだ。一方、日本中世でも犬はけがれた動物だと見なされていたが、猟師には犬の所有権を認める書状、安堵もあった。
なぜ犬の安堵があったのか、それは犬を目安として非農業民に税を賦課しようと考えたからだとされる。
日本人は口ひげとあごひげを伸ばしていたが、中国人はほおひげと日本中世では考えていた。そのため、足利義持や豊臣秀吉は中国に憧れていたからである。
ちなみに、イスラムはあごひげが信仰の深さを表す象徴とされている。
江戸時代に入るとひげがなくなり、同性愛文化も廃れていく。
なぜなら、両方とも男らしさの表れだったため。
たとえば、伊達政宗が恋人である男の子にあてた手紙に操を立てるためのタトゥー感覚で、今すぐに腕に刀を立ててもいいと書いていた。ただ、その手紙の続きには色々と言い訳が綴られて結局しなかったようだ。
独裁者は平和がお好き
中世文書については、あらかた見つかっており、発見した人が一気に超一流に上り詰めるということは歴史学ではない。
公家は沢山日記を残しているが、理由は宮中の儀式を記録し、その記録を子孫に見せるために書き残されたものだからだ。
あと、文書についてはなぜかNHKの大河ドラマで武田信玄が扱われるたびに、文書が発見され、以前は山本勘助は架空の人物ではと疑われていたが、それらしい人物が実在していたことがわかっている。
タイは一応、末子相続だが流動性が高いので、一応とされている。理由は末子が最後まで家に残るためとなっている。それでも農民に所得税など税金を多く取ろうとするとすぐにどこかへ行ってしまう有様なので、税金は基本企業の法人税、個人で所得の高い人の所得税と関税。
流動性が高すぎて友人も家族もすぐにどこに行ったかわからなくなるらしい。
また、上座部仏教では死後に輪廻するので、墓はつくらない。大乗仏教のブータンも墓はつくらない。
日本が墓をつくるのはどうやら中国の、影響らしい。
源義経の戦法は卑怯、馬を射るのは外車一台くらいの経済的価値があるからだ。
戦国時代になると、馬に乗って戦わなくなる。武田の騎馬隊が存在しなかったかどうか、議論が白熱している。
ミャンマーに行くと、権力者はみんなにアヘンをつくって欲しいので、平和でのほほんと暮らしていてほしい。その状態だと勤労でいてくれるからだ。
室町時代に能が生まれ、その中で夢幻能……幽霊などがでてくる能が流行って、それをショーとしているのは、宗教的なものが薄まっていく時代。
一方、タイはフィクションも実話もオチが必ず坊さんか宝くじらしい。
異端のふたりにできること
歴史好きが高じて研究者を目指すのが、だいたい始まりの人が多いけど、プロとしてやっていくなら研究対象をどこまで客観視できるか。
むしろ特殊な現代日本
現代日本も中世日本も自殺は多かったが、現代日本と中世日本ではニュアンスが異なる。
抗議の意思表示として、切腹をしていた。
一方、キリスト教の国々やイスラムでは禁止されている。
タイでは、借金を棒引きしてもらう為にする自殺だけとなっている。どうやら、自殺したら可哀想という心情でそうなるようだ。
本日のまとめ
今回は、『世界の辺境とハードボイルド室町時代』の必要箇所だけまとめたので、少々(?)話しが飛んでいるようにも見えるだろう。
もし、この前後って何話してたの?と気になる方はぜひ本を取って欲しいし、私たちがなかなか行かない海外と似ているようで異なる部分など、現在日本や中世日本を考える際に参考になれば幸いです。
次回もどうかお付き合いくださいませ。
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