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CONTAX T2は独特の描写が魅力的だが万人にお勧めできない2つの理由
皆さんこんにちは、ヨシダです。
CONTAX T2というカメラを皆様ご存知でしょうか?
CONTAX T2は、1990年に発売され、世界的に大ヒットし、今も人気の高い高級コンパクトカメラとして下記のサイトで紹介されています。
カール・ツァイスのゾナー38mmレンズを備えており、チタン製の外装で手触りもよく、所有欲が満たされています。
2024年現在でどれくらい人気か?というと中古価格で販売店価格だと約15万円、オーバーホール品では30万円ほどする個体を僕は見たことがあります。
CONTAX T2って本当に魅力的なカメラなのでしょうか?
僕自身約半年使ってきたのですが、
結論から言うと、「独特な写りと所有欲を満たすカメラではあるが、万人にはお勧めできない」です。
お勧めできない理由を2つ紹介すると、
AFの精度が信用できない
MFの精度も信用できない
になります。
この記事では以下のような構成で理由の深堀をしていきます。
そもそもCONTAX T2はなぜ人気があるのか?
独特の描写力
CONTAX T2はカールツァイスT*ゾナー38mmF2.8レンズが搭載されたレンズ一体型のフィルムカメラです。
ユーザーレビューを確認してみると、「描写は独特な、個性的な写りをする」と言うような表現をされている方が多い印象です。実際僕も撮った写真を見てそのように感じています。
ここでは独特の描写力が何によってもたらされているのか?について深堀をしてみます。
まずは「カールツァイスT*ゾナー」とはなんぞや?について紹介します。
Zeissのサイトによると下記のように説明がされています。
”Sonnarは、1930年にZEISSでルードビッヒ・ベルテレ博士が開発したレンズと空気の臨界表面が比較的少ないものでした。当時、1:1.5という大きな絞りと効率的な迷光低減のおかげで高いコントラストを実現”
またSonyのRX1シリーズにもSonnarレンズが採用されており、Sonyのサイトにも下記のように説明されています。
”ツァイス「ゾナーT*」レンズは球面収差、像面湾曲を軽減し、画面のすみずみまでシャープな解像感と高コントラストを実現”
またカール・ツァイス独自のレンズコーティングも独特な色彩をもたらす要因の1つでもありそうです。一般的にはZeissのコーティングは「鮮やかな青み」が強く写ると言われています。
https://news.mapcamera.com/maptimes/いつまでも色あせない名機【contax-t2】/
これらの情報から、CONTAX T2に搭載されているカールツァイスT*ゾナーレンズによる解像感と高コントラストに加え、コーティングによる鮮やかな青さが「独特の描写力」を実現していると言えそうです。
ではどのような写真が撮れるのか?
いくつか作例を用意しましたので、独特の描写力が本当か?と言う視点でご覧ください。
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確かにシャープで解像が高く、コントラストも高いし、青が強く出ている写真が多いので、「Contax T2は独特な写りをする」ことが言えそうです。
所有欲を満たすデザイン
デザインも人気の理由の1つであると考えています。
チタンボディの佇まいが美しく、金属の肌触りが所有欲を満たしてくれます。
また、カメラを持った時のずっしり感も持つ喜びを満たす要素です。
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デザインについては全く文句なしで、ファッションの一部として溶け込むようなスタイリッシュさがあります。
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なぜ万人にお勧めできないと考えているのか?
まずは撮影における失敗写真集をご覧いただきたいです。
ボディの状態には個体差がありそうですが、感覚として10枚のうち3枚はピントを大きく外すような傾向がありました。
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もうこんなの泣きたくなりませんか・・・?
特に妻や友人を写す記念写真とかで盛大にピントが外れていると、大切な思い出が台無しになった気持ちになりかなり落ち込みました。
なぜこのようにピントを外す写真を出してしまったかをもう少し深堀します。
理由その1 AF精度が信用できない
以下の記事を引用して理由を記載します。
"CONTAX T2のピント合わせは「アクティブオートフォーカス」と呼ばれる方式である。CONTAX T2は赤外線を利用して被写体までの距離を計測する。カメラ本体から赤外線を発射して、その赤外線が反射して帰って来るまでにかかった時間等を計測して、ピント合わせを行う"
"アクティブオートフォーカスは、被写体や撮影場所が暗くて、画像の分析が困難な時でもピント合わせができる反面、カメラ本体から発射した赤外線が被写体に当たって、それが正確にカメラに戻ってくることを前提としているため、
次のような場合に、ピント合わせに失敗しやすい"
1.被写体が乱反射する場合。
2.あらぬ方向に赤外線を反射してしまう(カメラに戻ってこない)場合。
3.ピントを合わせたい被写体が、とても小さい場合。
4.構図上、フォーカシングエリアに被写体が入っていない場合。
上記のように細かく分析されているため、より詳細を知りたい方は記事をご確認いただきたいですが、要するにピント合わせに失敗しやすいシーンを把握できていないとピントを外した写真を量産してしまいます。
特に1の被写体が乱反射をする場合に関しては、夏場の日差しが強いアウトドアユースではかなり不向きだと考えていて、実際に夏山に登った際の写真はかなりの枚数がピントを外していました。
理由その2 MF精度も信用できない
AFがダメならMFでいいじゃないか!と言うことでMFでも使ってみましたが、盛大にピントを外していました。これもなぜかを先ほどの記事を引用して掘ってみます。
CONTAX T2は、「被写体のピントが合っているかどうか」を、ファインダー内の黄緑色のランプの点灯で知らせるようなMF機能があります。
ただし、"マニュアルフォーカス時にもCONTAX T2は赤外線センサーが動作している。ピントが合っているかどうかの判定は、AF時と同じである。
赤外線センサーが、反射してきた赤外線をキャッチすることで距離を測っている。逆に言えば、AF撮影時と同じく「被写体までの距離の計測に失敗している」可能性がある"
僕はこの事態を知った時に恐ろしいなと思いました。
Leica M6のような2重像でピントを合わせるスタイルなら、確実にピントが合っていることを確認した上でシャッターを切れるのですが、
CONTAX T2は信用できないAFの距離計測システムをMFでも展開しているので、MF精度すら信頼できないのです。
これら2つの理由で僕はCONTAX T2を使用3ヶ月で手放しました。
フィルムが高い中で、1枚でも多くピントハズレによる失敗を無くしたいためです。
サマリー
CONTAX T2の人気が高い理由は、独特の描写力と所有欲を満たすデザインということで、作例を交えながら理由を紹介してきました。
確かにコンパクトフィルムカメラとは思えない美しい描写をする作例が撮れるカメラだな・・・と思います。
ただしこれはピントがしっかり合えばの話。
AF/MFがアクティブオートフォーカス方式を採用しているため、精度が信頼できないのが自分にとっては課題として大きく、手放すことになりました。
究極的な回避策は目測でMFを行うことですが、クイックな撮影をCONTAX T2で楽しみたかったので、自分が求めている撮影体験とは違うものがありました。
ただ、しっかり決まった時の写真は本当に綺麗でしたので、
気になる方は手に入れてみてください!
正直、Pentax Espio Miniなど他にも安くていいカメラがあるので、
万人にはお勧めできないです・・・!