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【IMAT体験記】渡航からイタリア国立医学部 受験当日の流れまで

今回の記事では、2023年10月17日に受験したIMAT (イタリア国立医学部英語コース入学試験) の様子や注意点をお伝えします。

私はローマのサピエンツァ大学で受験したのですが、日本の受験とは異なる部分がたくさんあり、正直かなり困惑しました。
IMAT受験を目前に控えた方、また、イタリア会場で受験される方は特に参考になれば嬉しいです。


1. IMAT受験登録&試験会場の選択

UniversitalyからIMAT受験登録をする際に、試験会場を選択します(手続きの説明は割愛します)。
私は合格後にアパートを借りる地域の下見をしたかったので、イタリア(ローマ サピエンツァ大学)で受験することにしました。
イタリアを選択した場合は、「第一志望の大学」が試験会場として自動的に設定されます。
イタリアは席数が多いのであまり心配する必要は無いのですが、他の国は予約開始後すぐに満席になってしまうこともあるので注意してください。


※イタリアでのIMAT受験時にビザは必要?

StudyinItaly等の複数のサイトでは、IMAT等の入学試験を目的としてイタリアに渡航する場合、渡航前に在日イタリア大使館で学生ビザを申請 → 「仮」学生ビザを取得(under restriction、合格発表まで有効という制限付きの状態)→合格後に正規の学生ビザに切り替える(restrictionが外れる)手順が基本ルートとして記載されています。
が、私は仮学生ビザの申請に必要な書類の準備が間に合わなかったため、パスポートのみでイタリアへ渡航しました。。
結論としては、イタリアを含むシェンゲン協定国内の滞在が90日以内だったため、出入国ともに問題ありませんでした。

ただし、合格発表後(11月上旬)に学生ビザの発給を在日イタリア大使館に申請したところ、なんと年内の面接枠が既に埋まっており、結果的にビザの発給が新学期に間に合いませんでした笑(大学側からは特にお咎めなしで、学期開始2か月後に合流)。

合格発表から新学期開始までの期間がかなり短いため、絶対に新学期開始に間に合わせたい方は、仮学生ビザを申請していくことをお勧めします
また、仮ビザがあれば、IMATから合格発表まで、合格していれば新学期開始まで、そのままイタリアに残ることも可能だそうです。


2. 渡航日程の計画

航空便遅延のリスクを考慮して、試験前日の到着は避け、2日前の昼にローマに到着するようにしました(10月15日昼着→10月17日試験)。
そして試験後2日間はローマに滞在し、観光と将来住みたい住宅街エリアの下見にあてました。

アパートの候補はさすがに時期が早すぎて見つけられなかったのですが、地図では分からない街の様子(住民の層・スーパーの有無・最寄り駅の治安等)を知ることができてかなり有益でした。
また、入学後は授業や諸々の手続きを同時並行することになり、かなり忙しかったので、希望エリアの目途をつけた状態で物件探しができたのも良かったです。


3. 現地の宿泊先

Crosti Hotelというテルミニ駅近くのホテルに宿泊しました。
交通機関のトラブルを避けるために、試験会場の大学まで徒歩で行けることを重視してこちらを選びました。
立地は良かったのですが、勉強できるデスクが無い&窓が小さく薄暗かったため、部屋で勉強することができませんでした・・
ローマは長居して勉強できるカフェも少ないため、部屋で勉強したい場合は予約サイトの写真でよく設備を確認するようにしてください。
私が勉強に利用したカフェは後述します~


4. 試験1週間前からの過ごし方

ここからは時系列でまとめていきます。
1週間前から意識したことは、試験会場の時間に寄せて生活することです。
イタリアは日本時間+8hだったため、気持ち夜型で過ごすようにしました。
完璧に合わせると逆に体調を崩しそうなので、あくまでも無理のない範囲で!


5. 現地到着 (試験2日前) ~ 前日の過ごし方

イタリア到着後は、とにかく「リラックスする」「時差ボケを治すために日中に太陽を浴びる」「十分な睡眠を確保する」ことを意識しました。
IMATは100分一本勝負・短期決戦。万全の体調とメンタルが大事という持論があったので、何なら勉強よりも体調管理に全力を注ぎました。

<2日前>
14時頃にローマ市内に到着。チェックイン後は、長旅でガチガチになった身体をほぐすのと、時差ボケ解消の日光浴のために、外で3時間ほどお散歩。ついでにホテルから試験会場までのルートを確認。夜は軽くAnkiアプリで復習して早めに就寝。

<前日>
設備が悪くホテルの部屋で勉強したくなかったので、急遽勉強できそうなカフェを探す。サンタンジェロ城近くの Caffetteria del Chiostro というお洒落な回廊カフェで3時間ほど勉強(人が少なくてお勧めでした)。

その後は散歩して夕食。事前に作っておいた苦手×頻出単元の最終チェックリストを確認して就寝。チェックリストについては前回記事をご覧ください!


6. 当日: 持ち物

23年時点から変更があるかもしれないため、最新情報をご確認ください。私の時は

パスポート原本(コピー不可)
・Universitalyからダウンロードした受験票(Receipt/Ricevuta)
受験者の氏名、試験会場、受験料の支払日が記載。

23年度のRicevuta。これ1ページだけでした

・Transaction confirmation (IMAT受験料支払い領収書)メールのプリントアウト
これは当日確認されませんでしたが、指示されていれば持って行きましょう

・時計(スマートウォッチ不可)
・水

席まで持ち込み可能です。ペットボトル持って行きましょう。
・糖分
朝食から試験開始まで時間が空くので、試験会場に入る直前にぱくっと食べられるものがあるといいです。私は森永の大きいラムネを持っていきました。
・筆記用具は持ち込み不可でした。会場で支給され、試験終了後にその場で回収されました。


7. 当日: 集合 ~ 試験開始までの様子

日本の受験とは大きく異なり、サピエンツァ大学での受験は実に緊迫感ゼロ。そしてイタリアの洗礼を受けました。ハプニングも交えてお届けします。

<試験2時間前>
会場に集合。が、20分前になっても建物の入り口に誰も来ない。不安になって裏に回ったら、まさかのそちらが正門。いきなり危なかった。
ある教室に集合するよう指定されているものの、案内係や看板は無い。同じ様に正門付近で迷っている受験者に声を掛けて、5人で構内をさまよう。運よく在校生が場所を教えてくれて無事にたどり着く。一人で動くのは危険!声を掛けよう!

正門みたいな裏門

教室前はすし詰め状態で統制が取れていない。集合時間を15分過ぎたところで試験監督らしき教授が登場。一人ずつ名前を呼んで教室に入れ込む。急に始まったので、慌ててトイレを済ませラムネを食べる。
教室入口でパスポートやRicevutaのチェック。会場に入ったら、入口に水とパスポート以外の荷物を置く。この時点から教材は見られないので覚悟を決めよう!ランダムに着席する。

<試験1時間前>
全員着席。しばらく待機。試験監督たちは会場内でお菓子を食べコーヒーを飲み談笑どころか爆笑。受験生もほとんどが周りの人とおしゃべりをしている光景にショックを受ける。
一瞬(ここで話さないと余裕無いやつみたいでカッコ悪いかな・・)と迷ったが、邪念を払う。私は日本のシリアスな雰囲気しか経験したことないんだ!私のやり方でいく!と一人瞑想にふける。

<試験30分前>
「トイレ行きたい人~」と募集し始める。7割ほどの受験生が挙手。順番に行くものの、入口のパスポートチェックも再度行うのでめっちゃ時間かかる。

<試験開始時刻>
トイレ完了。もう時間なのにどうするのこれ・・・とハラハラしていると、試験監督が全然気にしない様子で注意事項を読み上げ始める。説明後は大量の質問が飛び交う。

<試験開始時刻15分後>
質問を強制終了し、試験開始
試験前の静寂は無くぬるっと始まる。

8. 当日: 試験中の様子

試験前の説明が中途半端だったため、試験中に質問する人が大量発生。
そして最悪だったのが、目の前に教授が立ち、私の真後ろの学生と口論し始めたこと!!サイズが大きい方だったので、声を出す度に解答用紙をお腹でスリスリゆすられて、本当に悪夢・・

9. 当日: 試験後の注意点

あっという間に100分経過。集中してしまえば一瞬でした。
ちなみに試験終了後の注意点が2つありました。

①回答用紙・バーコード用紙を入れる封筒を間違えない!
教室の前方にある2つの封筒に、それぞれ「回答用紙」「バーコード用紙(受験生の情報が書いてある)」を入れます。
これを逆に入れると、あなたの試験が無効になってしまうので要注意です!
どちらがどちらか、封筒に分かりやすく示してあるので、ほとんどの人は大丈夫かと思います。しかし、私の会場で1人無効になっていたので用心するに越したことはありません。

②バーコードの番号を控えておく
正式なランキングの発表前に、受験者のバーコードの番号と点数が記載された、Anonymous Score が発表されます。この時点ではEU Non-EUが分けられていないため正確な順位は分かりませんが、バーコードの番号を控えておけば、自分の得点を知ることができます
メモの持ち込みはできないので、私は試験後に手の甲に書きました(試験中はカンニングを疑われる可能性があるのでやめましょう)。下6桁程度が分かれば十分なので、余裕があればメモしておきましょう。

手の甲に殴り書き

10. 合格発表までの過ごし方

完全に試験のことを忘れて、ローマで観光を楽しみました。
もし自己採点で合格の可能性が高そうで、余力があれば、合格後の手続きを確認しておくこともお勧めします。私の時は合格発表から数日以内にサイトの手続きや入学金の支払いをする必要があり、結構焦りました。

まとめ

こんな風に、私のIMAT受験は、日本で経験してきた受験とは大きく異なるものとなりました。合格して笑い話になったので良かったですが、なかなか強烈でした。
最後に私の体験を踏まえたアドバイスをまとめます。

①試験直前は勉強より体調管理を優先する
②時間通りに進行しなくても動揺しない。運営側で何とかしてくれる
③周りの受験生の様子を気にしすぎない。自分のペースを作る

最後まで読んでいただきありがとうございました。IMAT受験に挑まれる皆さん、幸運を祈っています!

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