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絵本とテレビのどちらを選ぶ? #子育て

幼児には絵本に多く触れさせるべきだということを前回の記事で述べました。
絵本は自分の好みに合わせてマイペースに楽しめるからです。

今回は、子育てに絵本を取り入れる利点について書いていきたいと思います。

その利点とは、幼児の「感性」、「創造性」、「努力持続性」を育むことです。

絵本は静止画の世界であり、じっとして動かないですよね。幼児たちは頭の中で、静止画を連続的な動きのあるシーンに置き換えています。
絵本の世界は、ゼロ歳児のころに住んでいた世界、つまり誕生後に経験した長い睡眠の中で見た豊かな夢の世界に近いのです!
幼児を優しく迎える絵本の世界は、現実の世界から夢の世界に橋渡しをしてくれる心地よい空間でしょう。幼児達は、下の図1に示すように

幼児→絵本→実体→幼児→絵本→…

という繰返しの中で遊びます。同じ内容の絵本であっても、繰返し繰返し飽きることなく読み、父や母に読んでもらうことに大きな喜びを感じます。そしてこの繰り返しによって、幼児に豊かな感性、創造性、努力持続性などが育っていくのです。
 

【図1】

絵本の世界に対しテレビの世界は多くの場合、下の図2に示すように現実に限りなく近いリアルな世界です。
このリアルな世界は幼児にとって、シンボル体がすなわち実体であるために、いわば鵜呑みの世界です。このように理解しましょうというシーンが、ありのままに目の前に展開されていくのですから。これでは幼児の感性、創造性、努力持続性は育まれません。

【図2】

幼児の生活の場にテレビ画面がつけっぱなしになっていると、幼児の目や耳はテレビ画面に向くでしょう。そこに待っている世界は夢の世界とはほど遠いリアルな世界です。
人類が数百万年もの長い間経験し、積み上げてきた育児環境の中に突然飛び込んできた現実そっくりのテレビ画面。幼児がこのテレビ画面を長時間視聴することは大きな危険と隣り合わせかもしれません。

NHK放送文化研究所が2021年に実施した「幼児視聴率調査」によると、
2~6歳の幼児が1日にテレビを見る時間(リアルタイム視聴)は57分
録画番組・DVD(タイムシフト視聴)は19分
インターネット動画は33分でした。

参考:NHK,放送研究と調査,2021年12月,幼児のテレビ視聴,録画番組・DVD,インターネット動画の利用状況(https://www.nhk.or.jp/bunken/research/yoron/pdf/20211201_5.pdf


こんなことを考えますと幼児用アニメは、紙芝居風に工夫して幼児達に想像の部分を沢山に残してほしいと思います。
この時期は幼児にとって、将来、社会人として受け入れてもらうために必須となる感性、創造性、努力持続性等を発達させなければならないとても大切な時期なのですから。

今回は絵本とテレビの比較を行いながら、子育てに絵本を取り入れる利点について述べました。
この記事が皆様の子育ての一助になれば幸いです。

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