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読書記録2025〜「かか」

今年の一冊目。

「かか」 宇佐美りん 河出文庫

19歳の浪人生うーちゃんの深い悩みの種は、大好きな母親=かかだ。かかは孤独を苦に心を病み、酒を飲んでは荒れてしまう。かかを救いたいうーちゃんは、ある無謀な祈りを胸に熊野へと旅立ち。21歳、新たな文学を立ち上げる驚異の才能の誕生。第56回文藝賞&第33回三島由紀夫賞受賞のデビュー作。

「かか」河出文庫あらすじ

表紙からも迫ってくるものがありました。

今年の1冊目としては、激しかった。

私にとっては読んだことのないような
鬼気迫る作品だった。

人はここまで、感情をえぐりにえぐらなければ
辿り着けない場所があるのか。


深い愛でもあった。
うーちゃんのかかへの愛は、憎しみは、
誰よりも深く、強い。


独特の方言というか、うーちゃん語?かか語?
によって語られていく。
だからこその
剥き出しの言葉が痛くて痛くて。
読み進めても、どこにも救いがなくて。

それでも生きてゆくために、
うーちゃんは旅に出たのでしょうか。

作品全体に、
吐き出さずにはいられない
エネルギーを感じました。

このエネルギーを途切らせることは、
もはや自分の中でもあり得なかったんで、
一気読みしました。


宇佐美りんさんの作品を初めて読みました。
衝撃的な出会いだったので、
話題作「推し、燃ゆ」も今年のうちに読みたい。


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