ブラッディバレンタイン(その2)
稽古終了後和やかな雰囲気の稽古場に鳴り響く携帯の着信音。
その電話は、Nさんからだった。
「途中で崖から落ちて、車が宙づりになってるのでJAFに連絡して」
ちょっと意味が分からないんですけど。
こんな住宅街に崖なんてあるはずないんだけど・・・。
私毎日往復してるから道把握してるけど、崖なんて通ったことないよ?
よくよく聞いてみると、近道をしようとして、
細い坂道を通ったらしく、
その坂道は、細い道で、
車輪を踏み外すと崖になっている道だった。
近道だと思って通ったら、
ハンドルさばきに失敗したらしく、
見事に車輪を踏み外してしまったらしい。
そして、踏み外した途端、
車がバックしだして、
慌ててブレーキを踏んだが、
後輪が道からはみ出して、
車が宙ぶらりんになったと。
っていうか、何でその道通った?
普通の広い道通った方が明らかに早いよね。
そんな道通ったこともないし、
それってバイクか自転車で通る道だよね。
カーナビもそんな道、おすすめしてこないよね。
崖はそれほど高さはないものの、一歩間違えたら、車が反転して危険な状態だった。
急いでJAFを手配して、
現地に向かってもらったのだが、
車内で下手に動くとひっくり返ってしまうかもしれないと車の中で動くに動けなかった3人は、
さぞかし怖い思いをしていたであろう。
ミニクーパーは3ドアで、
助手席にマネージャーさんを乗せて、つか先生は後部座席に乗っていたそうだ。
つまり、助手席か運転席から人が降りたら、
後部座席の人の重みで車がひっくり返ってしまうのだ。
この情報だけしか与えられておらず
続報もしばらく入って来なかった我々3人は
稽古場で帰るに帰れずずっとヤキモキしていた。
何事もなく無事だったからこそ、今となっては笑い話だけど、当時は、しばらく笑えなかったよ。