春立ちぬ。椿の花が綺麗です。
2月4日の今日は立春です。まだまだ寒さ厳しい日が続きますが、暦の上では春となりました。
と、ニュース番組の冒頭の挨拶で聞こえてきそうな、もはや使い古されたこのフレーズ。
ゆっくりと静かに季節の移ろう今日この頃、あたりの景色はまだまだ枯れた冬の装い。そんななかで、椿の花の色がいっそう目に鮮やかだ。
木へんに春の字の如く椿は春の季語だが、早咲きのものは冬椿・寒椿として、晩冬の季語ということになる。
園芸花木でもある椿には多様な品種があり、早咲きのものから遅咲きのものまで、それぞれの花期の違いが大きいからだ。カレンダーの上に並べると12月から5月頃までと、実に半年もの幅がある。
色やかたちもバリエーション豊かで、花それぞれに違ったイメージが湧いてくる。
真っ赤な椿は年上の美人のような趣き。艶やかで、それでいてどこか控えめな落ち着きがあって...じっと眺めていると、ふと目が合った瞬間にドキッとさせられてしまう危うさが。
見出しの写真の八重咲の椿は、乙女椿という品種。名前といい色合いといい、とても可愛らしい花なのだが、その造形美が見事。
自然のものとは思えないほど均整のとれた幾何学的な花弁の重なりには、一分の隙も無い。まるで人間国宝級の名工が丹精込めて作り上げた、一流の工芸品のようだ。
と、十七音全て漢字だけで、格のある銘品のような雰囲気に仕立ててみた。
字面や音感を使ってこういう遊びもできるから、俳句って面白い。