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100円ショップの経営戦略
今や100円ショップは生活になくてはならないお店となっており、頻繁に100円ショップで買い物するという方は多いのではないでしょうか?
でも、なぜ100円ショップは100円という安い単価で商売が成り立っているのか、不思議に感じたことありませんか?
安くても利益をあげられるのには理由があり、その理由を知れば100円ショップが成立していることに納得します。
本記事では100円ショップが安くても利益があげられる仕組みを解説していますので、100円ショップの仕組みが気になっている方はぜひお読みください。
「100円ショップは実は粗利率が高い」
100円ショップの単価は一点あたり100円なので一見すると粗利率が低そうに思えますが、実は粗利率は商品によって異なり、高い粗利率の商品と低い粗利率が入り混じっており、総合すると高い粗利率を確保しています。
たとえばマグカップは原価が安いため粗利率が高く、土鍋は原価が高いため粗利率が低くなっています。
100円ショップではその安さからついつい予定外の商品を購入してしまうという方は多く、高い粗利率の商品と低い粗利率を一緒に購入してもらうことで粗利率を上げています。
安さで購入のハードルが下がっているため、衝動買いが起きやすいのが100円ショップの大きな武器となっています。
このように、100円ショップでは価格が安くても粗利率が高いため、一見無茶な商売をしているように見えても実は理にかなった商売をしているのです。
「大量仕入&大量販売」
100円ショップは粗利率を高くするため、商品を大量仕入れすることで一点あたりの原価を下げています。
大量仕入れの方法は複数あり、大手メーカー、中小メーカー、卸売業者から仕入れをしています。
少数仕入れよりも大量仕入れの方が一点あたりの価格が安くなるため、大量に仕入れて大量に販売することで粗利率を高めています。
自社ブランドで生産しているメーカーもあります。
たとえばダイソーは約80%が自社ブランドの商品で、自社で安く製造することで原価を抑えています。
自社ブランドが大部分を占めているものの、工場は持っておらず、中小メーカーの工場に委託するOEM生産を採用することで原価を抑えることに成功しています。
「100円ショップであることを活かした人件費の削減」
スーパーだと商品によって値段が異なるため、ひとつひとつ値札をつけていかなければなりません。
大量の商品に値札をつけるには従業員を雇わなければならないため、人件費が高くなってしまいます。
一方、100円ショップは全ての価格が100円であるため、値札をつける必要がありません。
一部100円を超える商品もありますが、お客さんは100円であることをわかって来店しているので値札は不要です。
値札をつける手間がかからないことで従業員を減らすことができるため、こうしてこうして人件費の削減をしています。
一点100円なので売上の計算も楽であるのも理由のひとつで、商品価格が100円であることは人件費削減に関係しているのです。
また、正社員の少なさも人件費を抑える工夫となっていて、店舗の従業員のほとんどはパートやアルバイトです。
正社員数を減らうことで人件費を削減し、商品価格を抑えることに成功しています。
「広告宣伝費をほとんどかけていない」
お店を宣伝するにはチラシなどの広告を打ち出す必要がありますが、当然ながら広告宣伝には費用がかかるため、広告宣伝費も商品の価格に反映せざるを得なくなってしまいます。
そうなると商品の単価が上がり、100円で販売するのが難しくなります。
100円ショップはなんでも100円で買えるというコンセプトが宣伝になっているため、高い広告宣伝費を投じる必要がありません。
広告宣伝費がかからないことで100円という低価格を実現することができ、100円で買えるコンセプトによって自然とお客さんが集まってきます
「マージンミックス戦略により、粗利率の高さを実現」
一部の商品を除き、100円ショップの商品はどんなに原価が高くても100円の値段で売っています。中には当然、原価100円以上のものもあるのですが、原価率が非常に低い商品を組み合わせて販売することで、総合的な粗利率を高くしています。これを「マージンミックス」といいます。
前述したように、お客さんは100円という手頃さからつい何点も予定外の商品を衝動買いしてしまいがちです。そこをうまくついたビジネスモデルといえるでしょう。
「おまけ」
ちなみに、100円ショップで最も原価の安い商品は「歯ブラシ」で、その原価はなんと1円。次に「ビニール傘」の10円、「サングラス・ネクタイ」が20円、「電球・靴下」が50円、「乾電池」が80円といわれています。反対に原価の高い商品は「土鍋・フライパン・長柄のほうき」で、これらは100円以上の原価になるそうです。