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ごめんなさいと言う勇気
山田ズーニーさんの
「おとなの小論文教室。」より。
とてもハッと、身につまされました。
↑全文通してお読みいただくのがおすすめです
合わない人をどんどん排除していったら、 合う人だけの心地よい場ができるのか?
ここでいう「合わない人」とは、 何か悪いことをしたわけではない。
ただ、その人がいると、 かみ合わなかったり、調子をくるわされたり、 気づまりだったり、面倒くさかったり、 とにかくやりにくい。
「ああ、この人さえ、いなかったらなあ」
若い頃の私はそんな考え方だった。
「合う合わない」はあります。
「合うだけの人」だけになるように
「排除」したらどうなるか?
ここまで考えていくととてもリアルで、
自分含め、ありふれた日常のように思えます。
それが善か悪か、もわからずにいますがー。
「分断」と「多様性」の世の中で、
それは世の中の大きな話ではなく、
身近な私たちに潜む、闇であり光でもある。
そんなことを思いました。
けど、人生経験を積み、 とくに、文章表現教育を通して、 数えきれない人々の人生と想いを知るようになり、
いま私は思う、
合わない人をどんどん排除していったら、 たぶん、こうなる。
人生経験、だけではここまで俯瞰しては
見れなくて、「書く」。
「自分以外の人生を知る」ことで、
見えないものを見通す力が、目がつくんだなあ
と。
<排除の果ての風景>
昔、昔、ではなく、今の今、
10代の高校生~お年寄りまで 幅広い世代が集うコミュニティがあった。
そこに一人、古い価値観を押し付けてくる お年寄りがいて、みんな困っていた。
世の中には、 アップデートしたお年寄りも多くいる。 けど、そのお年寄りに限っては、 昔の考えのままだった。
悪い人ではないんだけど、しょっちゅう、 ギョッ! とするような、 コンプライアンス的にアウトな発言をしては、 みんなをドン引きさせていた。
まま、きくお話ではある。
悲しいけれど、現実にはー。
でも悲しいことでもないかもしれない。
「この人さえいなければ‥‥、」
そこで、みんなは、このお年寄りを排除した。
合わないものを排除して、 さぞ心地よい気の合う集団になったろう。
ところが、しばらくたつと、
60代がいると気づまりだ、 と言い始める人が出てきた。
あからさまに実際に排除する、
ことはほぼないにしても、近しいことは、
行われている、知らず知らずに起こしている
かもしれない。
高校生と大学生だけ残して、あとは排除した。
すると、高校生たちから、
「私たち高校生は、1学年ちがっただけでも、 すごく気をつかうし、ものが言いにくい」 という意見が出て、
大学生も排除し、
高校3年生も排除し、
高校2年生も排除し、
とうとう高校1年生だけのコミュニティになった。
どんどん細分化される。
年齢や学年は、便宜上のものでしかない、
と気づく。
高1生たちは思った、
「いろんな世代がいたときは、 私たち、高校生というだけで、 学年にかんけいなく結束していたのに…」
排除された40代は思った、
「あのお年寄りがいたときは、 自分たちは、若造と呼ばれて、 自分でも若い気でいたのに…」
失って、気づく。
「生産性」というモノサシで、 生産性の無い者や、生産性が低い者から、 つぎつぎ順番に排除していったコミュニティも、
「人間の魅力」というモノサシで、 つまらない人間や、面白みがない人間から、 つぎつぎ順番に排除していったコミュニティも、
いっこうに心地よい居場所にはならず、 かつてないほど息が詰まる場になっていった。
生産性と人間の魅力。
多様性と排除。
白黒と順列。
排除のある風景で、 なぜ、みんな幸せになれないのか?
集団に強いストレスがあるからだ。
そのストレスの正体は、
「ツギハ、オマエダ。」
例の、世代排除をしていたコミュニティは、 排除した人に「ごめんなさい」を言って、 つぎつぎ元どおりに、 すべての世代を呼び戻した。
ごめんなさいと、いう勇気。
呼び戻せるものと、思うこと。
簡単ではないけど、呼び戻せばいいんだ。
気づいた時に。おそくはない。
今の今、
10代の高校生~お年寄りまで 幅広い世代が集うそのコミュニティは、
日々、人と人がぶつかったり、 でもそのたびに、活発に対話をしながら、 たいへんそうだけど、
なぜか、みんなイキイキしている。
イキイキしてくる。
平坦よりも、凸凹しているほうが、
面白い。
受容と寛容。
それはまた、いつ自分が凸になるかもしれない
世界で、排除しないことは、
自分が排除、されないことにもつながる。
ここまで先を見据えられたら、
きょうの一言もかわるかもしれません。
今日もお付き合いくださり
ありがとうございます。
きょうよかったこと3つ
・すきやの店員さんの、お客さんとのなごやかな会話にほっこりした
(という余裕がもてている)
・悪寒がちょっとしたけど、乗り切れた健康(がまだある)
・早寝早起き(8時半就寝、4時半起き)