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「優越コンプレックス」

哲人 あまり聞き覚えのない言葉かもしれません。「優越コンプレックス」です。
青年 優越コンプレックス?
哲人 強い劣等感に苦しみながらも、努力や成長といった健全な手段によって補償する勇気がない。かといって、「AだからBできない」という劣等コンプレックスでも我慢できない。「できない自分」を受け入れられない。そうなると人は、もっと安直な手段によって補償しよう、と考えます。

「嫌われる勇気」
岸見一郎・古賀史建

劣等感のコンプレックスなら、人見知りやコミュ症や陰キャラだったり持ってます。店員さんを呼びとめて注文することができません。

優越コンプレックスは知りませんでした。

「できない自分」を受け入れてはいますが、受け入れきれてないんだろうなとも思います。
「人見知りだから、コミュニケーションとれない」とどこかで決めています。

そのコンプレックスを補償するための一つに、
「人見知りな要素では負けない」と、
並び立てては誇るようなところがあります。

みんなが普通にできる、
店員さんを呼びとめて注文すること。

みんなが普通にできる、
目線を合わせて喋ること。

みんなが普通にできる、
会話に割り入って自分の話をすること。

それが「できないことがすごいだろ」と
言わんばかりに。
また、「できないことは不幸だろ」と
ばかりに「不幸自慢」をしていたかもしれない、と思います。

それが、優越コンプレックス。
「できること」もあるはずなのに、
それは小さいことだからということにして、
それを胸張ってできることではないと決めて、
「できないこと」をひけらかす。

ああ、書いてて恥ずかし!

権威の力を借りて自らを大きく見せている人は、結局他者の価値観に生き、他者の人生を生きている。ここは強く指摘しておかねばならないところです。

同上

権威というのは、
「〇〇さんという有名な人と友達」
みたいなことのようです。

最近では、つい、
「〇〇フォロワーもいらっしゃる
 〇〇さんから、フォローしてもらえた!」
などと思ってしまったり言ってしまうのですが
素直に嬉しいことにちがいないですが、
どこかでそれをひけらかすことによって、
コミュ症なわたしでも、
そんな発信ができるようになった!という
優越コンプレックスに「補償」を
求めていたのかもしれません。

他者の人生を生きている。

アドラーは「わたしたちの文化においては、弱さは非常に強くて権力がある」と指摘しているほどです。
青年 弱さが権力ですって?
哲人 アドラーはいいます。「わたしたちの文化のなかで、誰がいちばん強いか自問すれば、赤ん坊であるというのが論理的な答えだろう。赤ん坊は支配するが、支配されることはない」と。赤ん坊は、その弱さによって大人たちを支配している。そして、弱さゆえに誰からも支配されないのです。

同上

弱さは、強さ。
赤ん坊はその弱さを認めざるを得ないけど、
歳を重ねるほど弱さを認めたくなくなります。

結果、弱さは隠し強さを誇示し、
支配される人生になる。

自分で自分の人生を支配するのは、
弱さを認めることから。


哲人もちろん、傷を負った人の語る「あなたにはわたしの気持ちがわからない」という言葉には、一定の事実が含まれるでしょう。苦しんでいる当事者の気持ちを完全に理解することなど、誰にもできません。しかし、自らの不幸を「特別」であるための武器として使っているかぎり、その人は永遠に不幸を必要とすることになります。

同上

不幸が必要。そうでした。そうでした。
武器にしてました。

武器を捨てるのがこわくて。
武器を捨てよう。

あ、捨てられない気がするので、まずは、
武器にしてることを認識することから。
どんな矛や盾を、自分は武器にしてるのか。

哲人 健全な劣等感とは、他者との比較のなかで生まれるのではなく、「理想の自分」との比較から生まれるものです。
青年しかし・・・・・・。
哲人いいですか、われわれは誰もが違っています。性別、年齢、知識、経験、外見、まったく同じ人間など、どこにもいません。他者との間に違いがあることは積極的に認めましょう。しかし、われわれは「同じではないけれど対等」なのです。

同上

理想の自分ではなく、過去の自分でした。
過去の自分のまま、他者と比較してました。
理想の自分がもっている武器とは?

青年 じゃあ先生は、子どもを一人前の大人として扱えとおっしゃるのですか?
哲人 いえ、大人扱いするのではなく、子ども扱いするのでもなく、いわば「人間扱い」するのです。自分と同じひとりの人間として、真摯に向かい合うのです。

同上

自分自身を、人間扱いするところから。


今日もお付き合いくださり
ありがとうございます。

きょうは泣くほど嬉しいことがありました。
泣くというのは赤ん坊のもの、のようですが、
泣くという弱さを、思い出しました。


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