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イタリアのロックバンド『Måneskin』

好きになったきっかけ

2年程前に知った、イタリアの4人組ロックバンド『Måneskin』(マネスキンとも言われるが、正式な発音は:モネスキンと2年程前は彼らが言っていたが、最近では彼ら自身もマネスキンが正式でいいよと、諦めたのか?慣れたのか?そう言っている)
小林克也さんのされている番組「ベストヒットUSA」で知った。
紹介された曲は『Beggin’』
ボーカルの歌声といい、ベース・ギター・ドラムの奏でる音といい、一発で虜になってしまった。
なんと心地の良いリズムと色気のある音と声。全てがドストライクだった。

オリジナルかと思っていたこの『Beggin’』という曲は、フォーシーズンズというグループのカバー曲だった。
原曲も聴いてみたが、これはこれでまた違った渋さがありかっこよかった。

その後は、YouTube公式でMVを堪能し、色んな番組に出演しているインタビュー動画や記事なども観漁った。
MVは色んな意味で激しく妖艶で、メンバーの放つ音楽性と雰囲気が滲み出ている気がした。曲のみならず、映像としても物語としても楽しめるMV。
一見MVは過激な様に感じるが、実際ライブの衣装やパフォーマンスの方が過激。

ファッションにも拘りがあり、メンバーそれぞれが個性的で魅力的なところもいい。刺激的なだけではない、メンバー達の思いや考えがあり、音楽同様に表現されるファッションも見所。
音楽やファッションだけでも楽しめるが、インタビューなどで垣間見れる個々の人間性やメンバー同士の絆や信念なども少しご紹介したい。

まずは、バンド結成からデビュー、そしてその後をざっくりと。

『Måneskin』の誕生

「Måneskin」というバンド名は、デンマーク語で「月光」を意味する。デンマーク人の母を持つヴィクトリア(Bass)が、いくつか提案した中でメンバーが即決する程気に入ったのが「Måneskin」だった。

小学校の頃から友人だったトーマス(Guitar)とヴィクトリア(Ba)は、中学の頃にバンドを結成。高校からダミアーノ(Vocal)が加わり、その後イーサン(Drum)を迎え4人組となったのが2015年。4人で一緒に音楽を始めた当時は、ローマの路上でストリート・ライブを行い、バンドとしての力を付けつつ観客を魅了していった。

イタリア版のオーディション番組“The X Factor”へ2017年に出演し、準優勝をした事をきっかけに、同年末にはデビュー。最年長であるダミアーノ(Vo)でさえも、当時19歳手前の若さ。最年少であるトーマスは17歳手前。

オーディション当時、ダミアーノ(Vo)とヴィクトリア(Ba)は現在同様出来上がっている感じがしたが、トーマス(Gu)とイーサン(Dr)の表情にはまだ少年らしさが見て取れた。ただ、それは見た目だけの事であり、演奏に関して言えば2人も同様に出来上がっていたと言える。

翌2018年には1stアルバム『Il Ballo Della Vita』(イル・バッロ・デッラ・ヴィータ:直訳:人生のダンス)を出し、地元イタリアで初登場1位を獲得。

その後も順調に活躍の場を広げ、2021年には2ndアルバム『Teatro D’ila Vol. I』(テアトロ・ディーラ Vol.I:訳:怒りの劇場)を発売し、2作連続でイタリアのアルバムチャート1位を獲得した。
前作よりも更にバンドの音楽感とイメージが凝縮され、パワーの溢れるアルバムとなった。
このアルバムの中から、1曲ご紹介。英語も良いが、自分はイタリア語で歌う曲もかなり好み。

ちなみに、2017年に発売されたデビューEP(Extended Play:アルバムよりも短時間だが、シングルよりは長い)『Chosen』は、7曲が収録されており、オリジナル曲以外にも話題になった「Beggin’」を始め、キラーズにエド・シーランやブラック・アイド・ピーズなどのカバー曲も収録されており、彼らの味のある独特なアレンジが注目された。

そして、2023年に3rdアルバム『Rush!』(ラッシュ!)を発売。
世界約20カ国でのトップ10入りを果たすという、勢い。収録曲にも磨きがかかりどれも推しに値する程の曲たち。そして、曲と共に更に楽しめ楽しませてくれるのがMV。これからも更なる活躍と共に懐かしさと進化を兼ね備えた新たなロックを期待。

『Måneskin 』(マネスキン)のロック音楽は、自分好みの色気やノリがある他に斬新さや独特なメロディーの中に、どこか懐かしさも感じる。
その懐かしさは大きくも小さくもなく、曲により僅かであったり深かったり激しかったり共に切なさや悲しさを兼ね備えていたり。
とても独創的でいい塩梅なのである。

メンバー紹介

ダミアーノ・デイヴィッド(Vo)  1999.1.8生
 自分達の世代は新しい物にオープンであり、SNSのお陰で自分達も見付けてもらえたと語ったダミアーノ。ただSNSの世界が全てではない事も理解しているとも。
 コロナ禍で友人に勧められ観始めた「進撃の巨人」の物語の凄さ・奥深さ・キャラ個々の性格や人生、そして壮大な世界観にハマる。日本アニメの実写をも超えうる展開や表現力の凄さに惚れ込み、その後1年間程配信サービスでアニメを観まくったそう。
 そこで出会ったのが「BEASTARS」であり、こちらのキャラや表現力の豊かさ・世界観にもハマり、2022年の初来日の際に作者の板垣先生とのコラボが実現!
そこでのダミアーノの興奮振りも、下記動画で少し堪能していただきたい。

自分も「進撃の巨人」も「BEASTARS」も大好きなので、この事を知った時にはグッと親近感が湧き嬉しくなった。
しかも、「進撃の巨人」に関する感想に対しても共感する所が多々あり、更にはこの「BEASTARS」の好きなキャラも一緒の(ルイ)で歓喜。
そして、画像と曲のコラボはこちら! この曲も自分のお気に入りの1つ。

ヴィクトリア・デ・アンジェリス(Ba)  2000.4.28生
 売り出し当初、チャートにロックはなく音楽性を変更する様言われたが、信念を貫きロックを通したと語るヴィクトリア。
 そんなヴィクトリアはバイセクシャルである事を公表し、自分らしく生きる為でもあり隠す方が恥ずかしいと自分を出す事に信念と自信を持っている。そんな彼女は、女性から真似はできないが堂々としているのでカッコイイと高い人気がある。
 イタリアのガムを食事の後に食べないと気が済まない様で、お気に入り品として常備しているとの事。たまにガムを食べながら寝落ちすると話したら、ダミアーノに「危ないよ」と注意される場面も。

トーマス・ラッジ(Gu)  2001.1.18生
 ファッションに拘りがあり、オシャレが大好きなトーマス。服やオシャレに関しては、ヴィクトリアと競っているとかいないとか。
 ファッションと同様もしくはそれ以上に大好きなのは、やはりギター。ギターのみならず超小型アンプを持ち歩き、いつでも作曲や練習を欠かさない様にしている程。ギターの神様は?と聴かれ直ぐに答えたのは、ジミー・ペイジ、ジミ・ヘンドリクス、リッチー・ブラックモアの3人だった。

イーサン・トルキオ(Dr)  2000.10.8生
 メイクもネイルもするけど、時と場所を選ぶというイーサン。そして、ジェンダーに縛られる事のない生き方を公表している。沢山の“ふつう“を広げたいとも。
 愛用品は、メガネとヘアゴム。ライブ中に「こっちを見て!」と言われても僕は目が悪いから見えないんだと笑いを誘うイーサン。TVや運転中はメガネを掛けているとか。そして、ヘアゴム。(はいはい、長髪だから必須ですよね)と思ったら、全然的外れw 実際は、ドラム演奏時にズボンの裾が邪魔になるので裾を止めるために使用する物だった。なるほど、納得。
 ドラマーでもあるが、少しベースやピアノも弾けるらしい。作曲をするに辺り、下手でも他楽器を演奏できる方がいいとの事。

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メンバー全員、現在も拠点をローマとしておりローマが大好きだという。リーダーというリーダーは決めておらず、4人全員がリーダーと語るダミアーノ。
「セクシー・ロック」と言い過激なMVや言動も時には行うが、根本的な所ではクリーンなバンド活動を信念に掲げている。

1970年代のロックが彼らの音楽の根源にあるというが、羽目を外してもバカしても決してドラッグ等には手を出さず、最後までカッコ良く音楽と関わっていきたいという信念も持ち合わせている。

メンバー全員が友達という事もあり、常に支え合っているからこそ道を踏み外す事なく前に進めていると話す彼ら。
「他人を傷付けず、皆が自分らしくあるべき」を発信しながら、これからもファンを魅了し続けていくだろう。

オススメ曲

Torna a casa』(戻ってきて)

激しいロック曲ももちろん好みだが、儚く寂しげでしんみりとした曲も好み。
イタリア語で悲しげに歌う中静かに流れるメロディーと共に、ご堪能あれ。


I WANNA BE YOUR SLAVE』(君の奴隷になりたい)

1曲目とはガラリと変わり、今度は縦ノリのテンポでリズムよく刻まれる音楽に乗り、同じくリズムよく、そしてねっとりと歌い上げる。自分は間奏が好み。
確かヴィクトリアもこの曲を推していた様な。。。


THE LONELIEST』(ただ1人)

もしかしたら1番好きな曲かもしれない。スローな始まりから徐々にテンポも激しさも増して行き、そして、また…、そして、また……。
この曲の流れと変化、歌声も曲となり交わる。始まりと終わりがいい。
確かギターのトーマスも、この曲を演奏するのが好きだと語っていた。

そして、タイトルの和訳。直訳は(最も孤独な)となるが、自分的に頑張って絞り出した和訳がこれ。かなりしっくりきている。


BLA BLA BLA』(かくかくしかじか)

とてつもなく激しい訳でも、しっとりと歌い上げている訳でもないが、タイトルの単語とHAHAHAHAなどの歌詞とリズムがいい。
中でもこの曲のベース音が気に入っている。軽く気持ちよく乗れるロック。


HONEYARE U COMING?)』(ハニー、来ないか?)

ラストは、ド派手にノリノリで!
この頃になると新曲を待ち詫びるファンも増えただろうし、日本でも更にファンが増えた曲でもあると思う。


余談

そういえば、1970~80年代はロックバンドはもっと多かった様に思うが、ここ近年は減ったのだろうか?それとも、個々でソロとして売り出す方が容易なのか?流行りなのか?自分の探求不足か?
日本では、ソロシンガーと同様にロックバンドなど多くのバンドが活躍していると感じるが、世界的にはバンドが減っている様に感じる。

(ここから、2024.3月頃の自分の見解〜)
数年前「ベストヒットUSA」にゲスト出演した奥田民生さんが"今週のベストヒット20"を観て言った言葉が未だに思い出される。
「バンドっていないんですね」という言葉に、ハッとした。本当だ、と。
現在でも"今週のベストヒット20"はソロシンガーがほとんどであり、バンドが登場してもパッと見はっきりとバンドだ!と分かる事は少ない。主にはソロかフューチャリング(feat.)が多い傾向にある。

もちろんアメリカのチャートなので、世界や欧州ではまた違ったアーティストが流行り、中には多数のバンドが人気を集めているのかもしれない。
その中で【Måneskin】が世界的にも人気が上昇し、日本でも知られる事となったのだろう。
(〜ここまで)

(ここからは、最近の自分の意見)
春頃から?アメリカのチャートでもバンドがTOP20入りを果たすようになってきた。それまでは女性シンガーが占める割合が多く、殆どがMVでセクシーな衣装とダンスと歌い方と歌詞、といった感じを受けた。別に嫌いではないが、何だか毎週変わり映えのないどれも似通う気さえしだした。

ただ、流行りや人気の音楽というのは似通るものだと思うし、歌手やプロデュースする側も流行りに乗り曲作りもするだろうから、それは日本でも言える事なのかもしれない。
自分は流行りの曲というよりも、いかに耳障りが良く心地良かったり、リズムや歌声が気持ち良いか聞いていて飽きないか、がその後の長く続く音楽生命を維持するのに大切な気がしている。

昔の曲でも未だに廃れる事なくずっと聴かれ愛されている曲が、そうである様に。
何故、若い人が昔の曲をカバーするのか?それは、聴き心地も良ければ歌い心地も良い曲だから。だから廃れない。もちろん、アレンジをされたりはするがカバーされる時点で廃れていないと思う。

そして、最近お気に入りのバンドが少し増えた。専ら情報は「ベストヒットUSA」からなのだが、また次回簡単ではあるがご紹介したいと思う。

それでは、昨年も今年も来日公演を行なった様子の『Måneskin』
是非、近場でもライヴを行なって欲しいもんです。いや、遠方でも1度は生で体感したい。そんなイタリアのバンド『Måneskin』のご紹介でした。

そして、自分達の呼び名を(モネスキン)から(マネスキン)で良いとした様に、世の中に柔軟に合わせるのは良いとして、今後彼らの信念が環境や周りの人の影響などで大きく揺らぐ事がない事を願うのでした。

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