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ポルトガルひとり旅 -コインブラ旧カテドラルと植物園-

最近、コインブラの事ばかり書いているけれど、コインブラ滞在が予想以上に楽しかったので、心に残った場所を書き留めておきたいと思う。

通常なら一日あれば街を楽しむのに十分だと思うけど、結局、コインブラには3日間滞在した。充分すぎるぐらいにスローペースで。

-訪れた場所-
旧カテドラル
旧大学
植物園
サンタ•クルース修道院

旧カテドラル

コインブラ旧大聖堂は、市街地のFerreira Bogres通りから、細い坂道や階段を登っていった先にある。小さな広場に出ると、目の前にポルトガルではお馴染みのライムストーンの外壁がどーんと見えてくる。

初代ポルトガルの王Afonso Henriquesによって再建されたロマネスク様式の建築で、1184年から一般公開されている。日本で言うと鎌倉時代が始まるあたりか。

私が一番の見どころだと思うのは、カテドラルの隅に残された青い美しいタイルの壁。タイルは、16世紀にスペインのセビーリャから運ばれた、ムーア式のタイルだそう。ムーア建築は、モロッコやチュニジアなどの北アフリカと、スペインやポルトガルで発展したイスラム建築で、スペインのアルハンブラ宮殿などが有名。

そして、とても素敵な中庭。それぞれ違うアーチの上の模様や、繊細に作られた柱の柱頭がこの中庭の見どころ。

旧大学

コインブラは、大学の街。ヨーロッパ最古の大学のひとつでもあるコインブラ大学が、旧市街地の丘の上にある。今回はじっくり見る時間がなかったので、大学の広場に少し寄っただけだったけど、ここの図書館がとても美しいと有名。今度来たときは訪れてみたいな。

植物園

コインブラ大学の近く、水道橋を通り過ぎたところに、植物園がある。ベンチで本を呼んでいる人やパソコンをいじっている人もいて、大学の学生の憩いの場になっているよう。ゆっくり散歩する人もちらほら見かけた。

植物園ということもあって、もみじや竹林など日本でお馴染みの植物も育てられている。通りがかった植物園の温室のデザインが可愛らしかったり、樹齢何年なんだろうというような巨木に出会ったり、なんだかおとぎ話の中にいるような感覚がする場所。


サンタ•クルース修道院

街の中心に、サンタ・クルース修道院がある。駅にも近く、電車の出発まで少し時間があったので、行ってみることに。メイン通りであるFerreira Bogres通りを突き当たったところに広場があって、ここは通る度に観光客や街の人で賑わっているのを感じる。広場の真ん中に丸い噴水があって、コインブラ滞在中、行く場所に困った時はここに来て座ってしばらくぼーっとしたり地図を見てみたりした。

街の中に、こういった噴水や、何気ない階段があると、ちょっと疲れた時やどこに行こうか迷った時はしばらく立ち止まることができるからありがたい。日本の街にいると、歩き疲れた時、迷った時、立ち止まって考えられる場所があまりないことが多くて、東京などに出かけるとすごく疲れたのを思い出した。いつもどこかの目的地に向かっていないといけないような気がして。

サンタ・クルース修道院は、街の中にあることもあって、大聖堂の中はお祈りに来る人が結構たくさんいた。奥の修道院の見学はというと、これまた観光客が少ないので、私一人で贅沢に過ごした。修道院の中をくまなく見学できるので、とてもおすすめの場所だけれども、たった一人だけで見学するのは、あまりにも静かで神聖な雰囲気に圧倒されて、その空間に恐れ慄くような、少し寒気がするような、そんな場所だった。だから、写真を取ることすらも憚られるような気分だったので、写真があまり残っていないことに後から気づいた。そんな気持ちになるぐらい、ピュアな修道院の空間を体験できたということなのは有難いことだけれど。

ステンドグラスを通して、カテドラルの中に差し込んでくる光がとてもきれいだった。

そういえば、日本にいる時から、数日だけ一人でどこかに旅行するということをほとんどしてこなかったな、と気づいた。レストランでご飯を食べるときは、やっぱり誰かとおいしいね、と言い合いながら過ごしたいと思うことはあったけれど、修道院やカテドラルで、一人でじっくりその場所に浸ることができる時間はとても贅沢だったな。

コインブラはポルトとリスボンの真ん中あたりにあるので、一人でも誰かと一緒でも、旅で一息つきたい時に訪れてみるのにはおすすめの場所だと思う。

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