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『傘』

街中で傘を刺してない女性を見ると貸したら好きになってくれるかな?

連絡先教えてくれるかな?

そんな事を考えてしまう。

そして今日も雨。

傘を刺さずに横を通る女性を見ながらそんな事を考えていた。

その時駅の入り口で空を見上げて困ってる女性がいた。

僕はその時は何も考えず自然と

僕「傘あげますよ?折りたたみ傘あるんで!

と女性に声をかけた。

驚いた目をしながら女性はこう言った

女性「いや、大丈夫です

とても恥ずかしかった。
断られた時の想定をしていなかったのだどうしていいか困ってるいると

女性「折りたたみ傘持ってないですよね?

男性「え?」

女性「今日は朝から雨でしたし、そのバックに折りたたみ傘が入っているとは、、

自分のバックを見てみると携帯とお財布が入るか入らないかくらいのショルダーバックだった。

男性「あの、その、、、

恥ずかしくてたまらなかった。

女性「ぷふ

いきなり女性が笑った、なぜか心が救われた気がした。

男性「そうなんですよ!ただカッコつけたくてそんな事言ってしまって、でも本当にどうぞ!僕ここから電車乗れば雨が当たらないで帰れるんです!その、屋根付きの商店街があって!

すらすら言葉が出て来る。
その時に思った。
なんで彼女にスッと話しかけられたのか、
答えは分からないけど、話しかけるべくして話しかけた、そんな気がした。

女性「でも申し訳ないです

男性「そのかわり大事にしてるんで今度返してください!

女性「ビニール傘じゃないですか!

彼女がそう言った後に一間を開けて2人して笑った。

女性「わかりました!ありがたく借りて今度返します!

そうして連絡先を交換して帰った。

連絡を取り合って会うことになったが彼女は傘を忘れて来てしまった。

男性「何しに来たんですか!笑

女性「本当ですね!笑

次会う時も忘れて来てくれと思う僕だった。

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