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ファンシーズ

夕方5時のチャイムがなった。
チャイムが鳴り止んでも、
自分の中で気持ち良く、まだ響いている。
何気なく聞いているつもりでも、
無意識の自分が、
耳をすまして待っていたのではないかと思う程だ。
町内を響き渡るチャイムの音は、
余韻が印象的で、
はい、ここで終わりの区切りがないだけ、
チャイムと町が仲良く呼応し、
そのまま自分の中で増幅されるのだろう。
すれっからしな私の胸の中にも、
ファンシーな可愛らしい響きが訪れている。
また町内放送のスピーカーの具合か、
あまり良い音で聞こえない分、
私のファンシーな耳を刺激して、
気持ち良く聞いてしまうのかも知れない。
ただ、うちの町内放送はこの間、
「これは、Jアラートのテストです」が、
「これは、ゲリラアートのペニスです」と
私に聞こえたのは、
私のファンシーな耳がお留守だったのか、
実際、本当にそう言っていたのか、
それは定かではない。

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