酸ヶ湯温泉湯治 初夏の巻Ⅱ
酸ヶ湯温泉の夜が明けた。
部屋の窓は障子状の二重サッシだから、午前四時ともなるとかなり明るい。泊り客が朝風呂へと繰り出す足音が次々と響く。温泉三昧の幕開けである。
まずは、午前7:30に食堂に向かう。酸ヶ湯温泉旅館の朝食はバイキング形式である。筋子等の青森の美味しいものを少しずつ食べられる酸ヶ湯温泉のバイキングは気に入っていたのだが、最近の物価高の煽りを受けて近頃はあまり特色が無い。それでも、白米の銘柄は「津軽ロマン」、味噌汁は「けの汁」、自家製豆腐などが並び、日によって多