見出し画像

体幹機能を向上するための腹筋群へのアプローチ:端座位編

前回に引き続き臨床動画です!

こちら👇の記事でバックニーを改善するために体幹(主に腹筋群)へのアプローチを行なったプロセスを動画を提示しながら解説しています。


前回は背臥位でのアプローチについて説明しました。


背臥位と座位でのアプローチのメリットとデメリット

ここで体幹のアプローチを進める上での背臥位と座位の違いについて簡単にまとめてみます。

【背臥位(座位との比較)】
◯背臥位でのメリット(座位でのデメリット)

・支持面が多く、転倒・転落リスクが少ない。身体が不安定になりにくく過緊張になりやすい方にはリラックスしやすい(*脳卒中後などで半側の感覚を感じにくいと不安定に感じてしまう方もいます)

・腹部筋の活動にて骨盤の前後傾を行う際に、座位よりも負荷量が少ない(座位では上半身全体の重さを制御する必要がある)

・骨盤前後傾を骨盤後面全体と腰椎のベッドへの接触にて確認しやすい
 *座位では臀部の接触面で骨盤の動きを感じ取ることができるが、体幹部は接触部がないため、深部感覚にて認識しないといけない

腹部筋以外の代償運動を起こしにくい:端座位では体幹の屈曲・伸展を行う場合に、頭頸部・胸椎の屈曲・伸展が先行することで腹部筋の活動が不十分でも体幹全体としては運動ができてしまう。ただ背臥位でも腰背部や反対の腹部筋を使っての代償運動を起こす人もいるので確認が必要です!
*座位では骨盤前傾・腰椎の前弯時にも腰背部筋を主に使っても運動が可能なため、腹部筋の活動を起こしにくい人もいます

▲背臥位でのデメリット(座位のメリット)
・座位や立位時のように脊柱・骨盤を動かすための重力下での体幹・股関節(または下肢)筋での姿勢制御を学習することができない

まとめますと…

◾️骨盤や腰椎の動きの認識、腹部筋をメインで使うことを獲得するには背臥位の方が導入しやすい。

◾️座位では体幹・下肢筋を協調しながら重力下での姿勢制御を獲得するための練習がメインになる。


といったイメージで、臨床場面では背臥位・座位を使い分けています。

背筋・腹筋といった体幹筋が弱く、座位では重力に負けてグラグラしたり上肢の支持がなければ体幹を起こし続けることができない場合などには、まず背臥位の運動から始め、車椅子や椅子座位、ベッドのギャッジアップなどで負荷量を調整しながら徐々に角度を上げつつ、重力下での制御能力を向上していくといった感じです。


この方は座位での練習の前に腹部を使って骨盤を動かす感覚を掴んだ上で、座位での練習に移っています。

座位での練習から始めても上手くできる方もいますが、この方は座位では背筋ばかりを使ってしまいやすく、かつお腹に力を入れるという感覚も分かりにくい方だったので、まずは座位での腹部を使う感覚を掴んでもらいました。


ではではそんなことを踏まえまして、座位のアプローチをご紹介していきます!


ここから先は

1,156字
この記事のみ ¥ 500
期間限定!Amazon Payで支払うと抽選で
Amazonギフトカード5,000円分が当たる

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?