私の今までと、2025年のこれから
留学、独学、そして市民開発との出会い。 経歴のコンプレックスが、今では私の「強み」になっています。
2025年は、より多くの人に「ヨハク」を。
はじめに
「毎日の仕事にヨハクを」
これは私が運営するYouTubeチャンネル「ヨハク」で、動画を始める際に必ず口にするフレーズです。
「ヨハク」とは余白、すなわち心の余裕を意味しています。ノーコードと市民開発を通じて、人々に本当の意味での「ヨハク」を創り出すこと。
それが私のミッションです。
2024年は、私にとって大きな気づきの年となりました。
これまで、自分の経歴に少なからぬコンプレックスを抱えていました。コミュニティーカレッジの卒業、会社員としての経験がないこと、そしてほぼ独学でここまでやってきたこと。
SNSで情報を発信する際も、「誰が話しているのか」が重要な中で、胸を張れるプロフィールが作れないもどかしさがありました。
しかし、その中でも確かな手応えを感じる出来事が重なりました。
SNSでのフォロワーは300人に満たないものの、私の発信を見つけて「まさにこれを探していました!」と声をかけてくださる方々。YouTubeを通じて仕事のオファーをいただける機会。
そして何より、2024年にはフランスのパリで開催されたNOCODE SUMMIT日本人として初めて現地参加し、グローバルな視点から市民開発の可能性を再確認できました。特に、そこで出会った「Ownability(オーナビリティ)」という概念が、私の目指す「ヨハク」のと通じるものがありました。
2022年のBridge株式会社設立から、kintoneやNotionの受託開発・伴奏支援を通じて、多くの方々と関わる中で、私たちの活動はようやく実を結び始めてきました。
ツールの導入は、あくまでもきっかけの一つに過ぎません。
本当に大切なのは、ノーコードと市民開発を通じて、「自分ができる」という確信を持ち、自ら課題を解決できる人材を育てること。そうして生まれる「ヨハク」が、組織や社会をより良い方向に変えていく力になると信じています。
そこで、2025年は大きな転換点にしたいと考えています。1月は、その準備として発信内容の見直しと試行錯誤の期間と位置付けました。生成AI(Claudeのプロジェクト機能を試したかったのもあるのですが)とのチャットを通じて、自分の活動を客観的に見つめ直す中で、改めて私の使命が明確になってきました。
テクノロジーの民主化は、単なる技術的な革新ではありません。それは、一人ひとりが自分の可能性を広げ、心に「ヨハク」を持って働ける世界を作ることです。その実現に向けて、市民開発推進者としての新たな挑戦を始めようと思います。
と長い前置きをしたところで、さらに長く想いを語りたいと思います。是非お付き合いください・・・!
アメリカ留学から学んだ「多様性の価値」
私は神戸で育ち、高校卒業後にカリフォルニアへ留学しました。当初の動機は単純で、「英語を使って仕事がしたいなら、英語を学ぶのではなく、英語で何かを学ぶ方が効率的なのでは?」という考えからでした。(今振り返ると、ものすごくいい考えだったと自分自身でも感じるのですが、何がきっかけでこの思考が生まれたのかは覚えていないです。)
帰国後、「英語を使う仕事をしていないのは勿体ない」と言われることもありましたが、留学で得た最も価値のある経験は、「英語力」ではありませんでした。
カリフォルニアという多様な文化が交わる環境で、異なる価値観や文化背景を持つ人々と交流する中で、自然と身についた「多角的な視点」こそが、最大の学びでした。この経験は、今でも私の中に「インストールされた状態」で、日々の仕事や判断の基盤となっています。(話す仕事がしたい、と大学の専攻はコミュニケーションでした。)
”従来のやり方”でのノーコード
帰国後、経営コンサルタントのアシスタントとしてデジタル化支援に携わる中で、kintoneと出会いました。最初は「Excelでよくない?」と考えていた時期もありました。
独立後にkintoneの受託開発・伴奏支援を掲げ事業をする中で、大きな矛盾に気づき始めました。ノーコードツールの最大の強みは「自分たちで改善、改修できる」ところにあるはずなのに、実際には「納品したシステムしか使えない」という状況が生まれていたのです。
企業側も「価格が安い」「開発が早い」という表層的なメリットにばかり注目し、本質的な価値である「自律的な改善」への関心が薄い。
私も当初、技術に詳しくないクライアントには専門用語を完全に避けて説明していました。しかし、これが実は自立の妨げになっていることに気づきました。kintoneにおける「フィールド」といった基本用語を知らなければ、自分で解決策を探すための語彙さえ持てません。
これでは、人々の「ヨハク」を生み出すどころか、新たな依存関係を作ってしまうだけではないか。従来の開発手法を批判しながらノーコードを持ち上げているのに、実は私たちも同じような開発の仕方をしているのではないか?
この疑問が、私を市民開発という概念へと導くきっかけとなりました。
市民開発との出会い:「ヨハク」を創造する新しい方法
転機となったのは、株式会社ふえん 安藤さんがオンラインで参加した2023年のNOCODE SUMMIT。私は安藤さんに勧めていただき、NOCODE SUMMITのアーカイブ動画をいくつか視聴しました。「市民開発」概念との出会いでした。今まで私が抱えていた疑問がやっと言語化された感覚がありました。特に、NOCODE SUMMIT 2023でのJack Marrowさんによる「Distributed Development」の考え方は、私の視点を大きく変えました。市民開発は単に「誰もが開発できる」というだけでなく、責任の適切な分散と、それを支える仕組みづくりが重要だという認識を得たのです。
2024年には、日本人として初めてパリで開催されたNOCODE SUMMITに現地参加する機会を得ました。そこで出会った「Ownability(オーナビリティ)」という概念は、私が目指す「ヨハク」の考えとの繋がりを感じました。自分たちでツールを所有し、理解し、活用する能力。それは単なる技術的なスキルを超えて、心の余裕を生み出す力となるのでは、と考えました。
2025年、より多くの「ヨハク」がある未来の構築
2025年に向けた私のビジョンは、ノーコードと市民開発を通じてオーナビリティの概念を広げ、ヨハクのある人材を増やすことです。
現在準備中のKAIZEN CODE:日英バイリンガルでのkintone導入支援や、新しい研修プログラムを通じて、技術的な能力と「ヨハク」の創造の両方を重視した市民開発のスタンダードを確立していきたいと考えています。(サービスは2025年2月にはリリースする予定になっています!)
2023年にリリースした無料のkintone研修は受講者が430人を超え、嬉しい評価を頂いています。(もちろん、他のkintone界隈の大物に比べるとまだまだの数字なのは十分に自覚しています。)
そちらを、今年は有料版でのリリースを計画しています。そこには、市民開発の要素取り入れ、作りながら学べる、「私でもできそう!」のきっかけ作りになるようなコンテンツにしようと作成中です。
Podcastも継続し、常にナレッジを共有する
2024年にふえん 安藤さんと始めたPodcast。ノーコードを軸に、市民開発や成熟度モデルの話などかなりニッチな内容について話しています。私たちは「これが正解だ!」ではなく「是非一緒に考えよう」という雰囲気作りも大切にし、Xなどの短い文章だけでは伝わり切らない部分を会話形式で語っています。
私と安藤さんはリアルタイムで情報を共有し、情報がホットな状態のまま収録しているので、そのホットな情報をホットなままで届けることを継続していきたいです。
さいごに
ノーコードツールと市民開発を組み合わせることで、人々の生活により多くの「ヨハク」を生み出し、より良い職場環境、そしてより良い社会へと繋げたい、と、そんなことを考えています。
ヨハク、好きな言葉なんです。