運用を”継続”するのは従業員さん
こんにちは。今回は、システム構築の事例ではなく過去に支援をした企業で起こった「マインドのシフト」について書こうと思います。
前回書いたこちらの記事。
こちらの企業さんでは、従業員さん100名ほどの紙の申請書の管理や情報整理を事務員さん1人が行なっていました。(詳しくは前回の記事を読んでいただければと思います。)
システムを構築する前に、まず行うことは現状の業務整理です。
申請業務をデジタル化する前に、「一体どんな作業をしているのか?」と現状を整理します。
「え、そんなこともしてくれてたん!」が起こる業務整理
業務整理を行う際は、できるだけ担当者本人に打合せに参加してもらい話を聞くようにしています。
・どんな手順で何を行なっているのか?
・どのタイミングで誰が何をしているのか?
などなどを業務を深堀して聞いていくんですが、ここで私が気をつけていることは「隠れている小さな作業」を見落とさないようにすること。
「隠れている小さな作業」に関しては、打合せ中の会話の中で溢れでてくることが多く、それを出来るだけスルーせずに拾うようにしています。
(いかに打合せをピリピリ静かな雰囲気ではなく、柔らかな雰囲気にできるのかが勝負な気がします笑)
こちらの企業さんでは「申請業務」を紙ベースでやっていたので、その際に事務員さんが「長年やっているからこそ気づく」作業が発生していました。
それを聞いた役員の方は「え!そんなこともしてくれてたん?もうそんなん自己責任にしたらええやないか!」と。
デジタル化で「管理する部分」が明確化
紙ベースの管理だと「紙の申請書」をもらった後は全て事務員さんが管理しないといけない状態になっていました。
しかし、申請業務をデジタル化したことにより従業員が申請したことにより締め日に自動で請求書が発行されるので事務員さんが管理するのは下記のみになりました。
申請内容の確認
申請すると事務員に通知がいくフローにしており、この部分はあえてヒトの目で確認する作業をいれています。
足りない備品の発注
請求書発行・送付
業務を洗い出すと言うきっかけ
業務整理を行ったことで「隠れていた作業」が”言語化”され”認知”されたことによって『責任の分散』が起こりました。
役員の方が「そんなこともしてくれてたん!」と認知し「サイズとかは自己責任にしたらいいやんか。」と一言いうだけで事務員さん(他従業員含め)の気持ちは楽になるのです。
今までも決して事務員さんだけに責任を押し付けようとはしていなかったのですが、「紙での管理」「事務員さんの具体的な作業が認知されていない」という仕組みが結果的に事務員さんに負担を押し付ける形になっていました。
トップダウンでは難しい中小企業のデジタル化
中小企業のデジタル化を進めていく上で完全なトップダウンは難しいと私は感じています。(個人的な意見です。)
「新しくこの方法/ツールに決まったので進めていきます!」と推し進めれたら楽なのですが、従業員の中では「私たちのやっている仕事のこと何も分かってないくせに急にそんなこと言われても無理!〜はどうするん?」というマインドになっている場合がほとんどです。
運用を継続する、ことが重要
企業にとって「良くなること」であれば推し進めたい経営者さんは多いです。(もちろん推し進めるべきです。)
しかし、デジタル化は開始部分ではなく「運用を継続する」ところが1番重要な部分です。
そして「運用を継続する」のは他でもない従業員皆さんです。
着実にデジタル化を進めるためには、まずは業務の洗い出しをする際に従業員さんの「作業」を認知してあげることも第一歩だと感じます