栃木県 渡良瀬橋(下路トラス橋)を拝見(県道5号線)
年代によっては、歌でこの橋をご存じの方も多いでしょう。
歌詞の情景にはまったくそぐわないブログなので、技術系の方以外は読まずにほかのページに移っていただくことをお勧めします。時として技術的な話を持ち出すと雰囲気が壊れるんです。(言い方の問題も大きいかも)
さて、本題に。
耐震補強を拝見と思いつつ、正直なところとしては、近寄ってみるまでは補強されているとは思えないようなすっきりとした印象でした。トラス橋の場合には、部材が増えたり、支点周りに取り付くものがあったりと、目立つ場合が多いと感じますが、遠目には古くからの橋そのままと感じていました。
道路側から見てみると、少しオープンな感じです。橋門構が端部の斜材のところにはなく、その一つ奥の格点から一つ置きに入っています。雰囲気が違うものですね。
そして、個人的にお決まりのポイントである支承に目線を移します。トラスの下に下弦材のWEBが伸びて、支承のピンを受ける構造ですね。現在の作り方だと下弦材のBottomPLが外側に伸びてすみ肉溶接なるので、この構造を実現しようとすると、、、、すみ肉溶接のビードが、、、という感じですね。板の構成からして違うので、合理的な組み合わせになっています。
落橋防止としては、橋体間を連結するPC鋼棒かな?
つぎに端支点の支承も拝見しました。気になるのは2枚の板の間の構造がどうなっているのか?でして、詳細はわかりませんが、上沓側は下弦材からの2枚の板とピンの間にすき間がなく、溶接(?)されている状態になっているように見えます。溶接ビードはないのですが。嵌めあい構造になっているのかな。鋳物的な形状と、上沓と下沓の部分は機械加工がされているなど、製作工程がいくつも必要な印象です。
そして対岸へと渡ります。渡良瀬橋は車道橋になっていて、すぐ横に歩道橋が並走します。外側から構造を見られるのでありがたいです。特に支承周りや結合部など。
鋼板接着による床版の補強も行われているようでして、この姿のまま、残っていてほしいと思います。
足利駅からも近く、歌碑もありました。
土木学会の「歴史的鋼橋検索」のサイトにも載っています。