人事施策の内製化支援 事例紹介(後編)
2017/07/12 小野寺友子
前編はこちら
https://note.com/bricoleur0701/n/nbcc337aab850
さて、8ヶ月目にして辿り着いたトレーナートレーニング。
まずはトレーナーの要件について目線を合わせたい。伝えたいことが
抽象的な思考か
具体的な技か
によって、トレーナーの要件は異なる。
今回は具体的な技の伝承なので、自らもハイパフォーマーであることが第一。自分ができないことは教えられないし、メンバーが言うことを聞かない。
次に、伝える力を持ち合わせていること。メンバーに寄り添い、できないわからない気持ちを汲んで、粘り強く分かりやすく伝える力だ。うまく話すのでなく、しつこく寄り添って伝えることが大事になる。
そして最後に、自分のやり方を脇におけるか。技の伝承はある程度の型化がされており、その型通りに教える必要がある。質問に答える時にも「私だったら」「私の場合は」は禁句で、その意味合いも、足並み揃えて伝えなければならない。意味合いまで深く腹落ちし、これまでの自分を脇に置く力が必要だ。
フラワー事業のような感覚が重視される分野は、型よりもデザイン力や創造性が大事なのではないか、型にはめるのは逆効果なのではないか、と思われがちだ。
しかし私はむしろ、このような分野程、ベーススキルの型化は必要だと考える。教えてもらう側のためではなく、教える側のために。
メンバーには1日でも早く守破離の守を叩き込み、正しく経験を積み上げて、破離に進んでほしい。そのためには誰に聞いても同じ答えが返ってくることが必要なのだ。
さて、トレーナーを任命したら、型のカリキュラム化が必要だ。型をうまく作ったら終わりではない。このカリキュラム化は相当難しく手間がかかる。どんなツールを使って、どの順番で、どんな風に伝えるか、時間や人数の制約踏まえて考える。トライアル対象に試行錯誤を繰り返して作っていく。
実践前のトレーナートレーニングではこのカリキュラムを、互いにロールプレイで教え合い、フィードバックして高めた上で、ゲストメンバーも呼んで仕上げていく。
ここから先、本番まではトレーナーの頑張りに委ねるしかない。本番では、トレーナーの努力をひしひしと感じた。素晴らしかった。
今後はトレーナーの経験学習を回すことに併走し、トレーニングを定着させ、教え合う文化を作ることを支援する予定である。数ヶ月経てば、次のカリキュラムを自分たちで立ち上げられるようになっているだろう。