経験学習で「気合いと根性」を脱却せよ。
2016/10/26 小野寺友子
私たちの仕事は、一言では伝わらない、端的には言い切れない仕事です。だからと言ってはなんですが、WEBの制作は難航し、PRは悩み、会社紹介資料でさえいつまでも完成版が定まらず、ご要望に合わせて都度リメイクしている状態。
ブログもまさにそれが顕著で、三人の話があちこち発散し、一体何屋なのか分かり辛くなっているようで。。。「ブリコルールの生業がちゃんと伝わるブログにしてください」とPR平田にハードルを上げられたので、野元、水田のブログが長々してしまってます。
というわけで、バトンをしっかり受けて、今日は、私のこだわりシリーズではなく、最近多く携わる「行動開発」のプロジェクトについて書きます。仕事の話です。
行動開発の目的は、現場における経験学習サイクルが回る状態をつくることです。
経験学習とは、気合と根性でなく、振返るクセを持って知恵を蓄積していくプロセスです。
「振り返りならやってるよ」
という職場は多いかもしれません。
でも、
「新人が育たないんだよね」
「◯◯さんは化けたね~」
「ハイパフォーマーはハイパフォーマー、ローはローのまま。」
という声が聞こえたら、さらにもっと良くなる可能性を秘めており、行動開発の出番です。
ただし「社内全員がローパフォーマー」の場合は除きます。それは、勝負しているマーケットか、商品の魅力か、採用か、何か別のことが違っているからです。
少数でもハイパフォーマーがいて、その知恵がうまく巡っていない(いなそうな)場合、行動量はあるが質が伴っていない(いなそうな)場合、行動開発プロジェクトは効果があると考えます。
行動開発とは、経験学習すべき行動を明らかにし、その行動がうまく知恵につながる仕組みを整えることです。
たとえば、結果を出せる営業や、一流のフラワーデザイナーのアウトプットを、その個人の気合いや根性、センスによるものと片付けず、職場の皆が習得できるようにします。
経験学習すべき行動を明らかにするためには、ハイパフォーマーの「無意識」を紐解き、構造化することをします。
そこで忘れてはいけないのはハイパフォーマーだけでなくローパフォーマーもみにいくこと。この言わば理想と現状のギャップに焦点を当て問い続けます。
「なぜその行動をするのか、狙いは何か?」「なぜこの場合はあの行動をしないのか?」
「その行動をうまくやるために準備していることは何か?」
「どういう時にうまくいったと感じるか?」
など。
行動が可視化され形になったら(ここまでが大変なのだけれど。)、それをマネジャーやメンバーに獲得してもらえるようなトレーニングに落とし込みます。日常使うツールを変える必要もあるかもしれません。
マネジャーにとっては、仕事やメンバーをみるメガネをかけ変える感覚になります。他から与えられたものでなく、自分たちの中からうまれたメガネなので抵抗なく、かけ心地は大抵良さそうです。
最後に自分を軽く紐解くと、この仕事には「好奇心」が必要です。
自分の思い込みを脇に置いて、目の前で見ること、語られる言葉、に自分を傾けないと、メガネの度はずれてしまいます。
更に、この「好奇心」の源泉を探るとかつての上司の顔が浮かびます。どんなプロジェクトでも「ともこ、とりあえずさ、現場見に行ってみない?」「夫婦のふりして接客うけよう!」と顧客体験を経てから臨んでいました。
今では大人の社会科見学に没頭するかつての上司が、行動開発プロジェクトに向かう私を支えています。