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言語と非言語 チャネルを行き来する

2016/11/24 小野寺友子

「あーあ、ママ怒ってるー」と娘にぼやかれる。「いろいろ迷惑かけてごめんね」と息子に謝られる。別に怒ってる、とも、迷惑だ、とも言ってないが、言われてドキッとした。(自分の親としての未熟さを憂いた…?)

私たちはほぼ言語チャネルに依存している。非言語が大事だ、と言われながら、それが何をどう大事にすることなのかは明確に語られることは少ない。上述した我が家のシーンは、非言語で私の状態が伝わり、やりとりされている。
今回はコーチングの関わりを参考に、言語以外のチャネルにアクセスする、ことについて書いてみたいと思う。

非言語とは何か?
非言語とは、一般的には五感と言われている。視覚、聴覚、味覚、嗅覚、身体感覚。特にコミュニケーションに使われるのは、視覚、聴覚、身体感覚だ。
コミュニケーションの受信側は、発信側から無意識に出されるこれらのサインを、
「「聞いてる」って言いながら上の空じゃん」
「ずっと腕くんでて不機嫌そう…」
「いつもより早口で焦ってる感じするなぁ」
と心の中で無意識に感じ取り、そのまま対話を継続する。

互いに無意識にやりとりしながらも、コミュニケーションは進む。非言語は大抵無意識だ。

一方、コーチングの関わりでは、非言語を相手に意識させるために言語化する、というアプローチをとる。例えば表情や声のトーンを反映する(=実況中継する)など、意識下に置かれると「はっ」とする瞬間がつくられる。無意識の自分を意識下におくことを繰り返すうちに、自分自身の内省が深まっていく。
また、言語を非言語に置き換えて表現し直す、というアプローチもとる。例えば「今言ったことを動作で表現すると?」「今言ったことはどんなところで感じるのか?」など。“意識した”非言語での表現は、言語の限界を超えて、自分自身の感じていたことを更に豊かに表現する。

コーチングは最近とても注目されている。「コーチングは問うだけでアドバイスしない!」ものであり堅苦しい、とか、支援型リーダーシップといえばコーチング!、とか、間違ってはいないけどずばり正しくないコメントと共に。

私は、上述のように、コーチングは相手の幅を拡げるアプローチだと思っている。相手の話を聴くことも、言語だけでなく非言語も使ってみると、受け取る情報量は格段に増える。
非言語チャネルには人によって得意不得意があるから、一気に全部じゃなくても、慎重に試してみてはどうだろうか。
関係性に新しい発見があるかもしれない。

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