【 表情筋に対する、鍼通電とEMSの目的の違いは何? 】
10年前と比較すると、何倍にも注目されるようになった美容鍼灸。
当時では、お顔への刺鍼が主なケアでしたが、最近では刺した鍼に電気を流すテクニックをされている治療院も多いようです。
当店では、最近導入したEMSと美容鍼灸のコースが、非常に好評頂いております。
EMSも、同じ電気を利用した治療のひとつです。
そこで、最近お客様に『EMSの目的は?』『鍼に電気を流すのと、EMSとでは何が違うの?』という質問をよく受けるようになりました。
確かに、鍼通電もEMSも同じ電気なので、その違いが一見わかりにくいかもしれません。
ですが、明らかな違いがあり、私はそれを踏まえた上で、あえてEMSを導入しています。
今回は、そんなお話をしていきたいと思います。
まず、鍼通電療法について。
鍼通電療法とは、刺した鍼に電極を装着して、鍼自体に電気を流す治療法です。
使用される電気の種類は、『低周波』です。
低周波の目的は、『マッサージ効果』『鎮痛効果』です。
主に筋緊張の緩和や鎮痛に効果を発揮します。
それに対してEMSはというと、『筋肉鍛錬用』に開発された電気です。
神経に麻痺があり、運動が困難な人のための筋力低下を阻止するために使用されていました。
オリンピック選手がEMSで筋肉を鍛え、メダルを獲得したところから、世に広まるようになりました。
現在ではエステや家庭用機器まで登場しています。
低周波でも筋肉を動かしていくことができますが、これはあくまで『マッサージ効果』。
それに対してEMSは、電気的に『負荷』をかけて筋肉を強制的に動かしていくもの。
ようするに、ダンベルを持って筋肉を動かしているのと同じ、『トレーニング効果』を得ることができます。
よって、EMSでは使用後に『筋肉痛』が現れることがあります。
これは、低周波では現れない現象です。
このように比較すると、それぞれの電気の特徴や目的がわかりやすいですね。
お顔に対するケアとして、むくみや血行不良などの問題であれば、鍼通電でも十分でしょう。
ですが、頬や目元、口元のたるみ、ほうれい線、ハリのなさなど、年齢を重ねることで現れる深刻なお悩みに関しては、EMSの方が向いているでしょう。
また、お顔の筋肉は手足などの体の筋肉と比較して、非常に薄く、デリケートな部分です。
であるからこそ、美容鍼灸と電気的治療は分けて行う必要があると考えています。
(※鍼通電治療は、刺した鍼に電気を流していくのに対して、EMSは端子をお顔全体的に滑らせて流していくものです。鍼と同時に行いません。)
日本人は、言語の特徴なものもあり、表情筋を3割程度しか使えていないという現状があります。
ですので、非常に衰えやすく、頬に脂肪もつきやすく、さらにたるみやすい…。
年齢的な悩みは、外科的手術を行えば手っ取り早いです。
ところが高額な上に、年を重ねるとまた不自然な見た目にもなってきてしまう可能性もあるため、断念する方も多いようです。
EMSであれば、ご自身の表情筋を鍛えることで、お顔の土台がしっかりし、現れるエイジングサインもゆるやかになってきます。
是非、お体のエクササイズ同様に、表情筋も鍛えて若さをキープしてくださいね。