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美容鍼灸で成功するために、開業前に知っておきたかったこと5選

はじめに

こんには。Brico代表の植田です。
立春すぎて、大寒波到来中の日本…。積雪が心配されていましたが、東京は気候は寒けれど晴天が続いています。SNSを覗くと、各地は猛烈な積雪のようですね。寒さで体調を崩さぬよう…というのはもちろんですが、雪の中の外出にも用心してくださいね。『この寒波が通り過ぎれば、きっと春…!』と思っている方は、私だけではないと思います。残り1ヶ月前後であろう冬…なんとか乗り越えていきましょう!

さて、今年の目標に掲げた『アウトプットの習慣化』。なんとか今のところ続いております…。今回は、美容鍼灸サロンを運営する私の内心を少しご紹介するとしましょう…。
『美容鍼灸で成功するために、開業前に知っておきたかったこと』
なんて、偉そうなタイトルをつけてしまいました…。いや、正直に言うと、付けてもらいました…AIに!(笑) 『成功するため』なんてパワーワード、私の性分では絶対付けません(笑) でも逆に、自分では絶対付けないタイトルなので、ある意味新鮮なのかも…と思い、執筆してみたいと思います。5選かぁ…。何があるかなぁ?ご興味ある方、是非ご覧ください!

店を開けても普通にお客さんは来ない。ということ

まぁ、当たり前と言ったら当たり前のことです。私がspa Bricoを開業したのは、自身が26歳の頃でした。それまでは、美容鍼灸を取り入れようとしていた美容皮膚科兼エステティックサロン(結局、導入されませんでした)と、美容鍼灸が流行る前に立ち上げられた美容鍼灸サロンで勤務してきました。どちらも立ち上げのタイミングでの入社でしたので、若いながらに集客の大変さは痛感していました。当時の私は、鍼灸の専門書よりも集客や広告関連の実用書を読み漁っていたほどです。自分なりにいろいろと足掻いたつもりでしたが、あまり思うような実績には繋がりませんでした。
それから3〜4年ほど経験を積んだのち、鍼灸在学中からの夢だった独立開業を果たしました。本来であれば、サロンを構えるにあたり、立地から物件を探すものだと思います。ですが、当時の私は若すぎたので立地のことは全く考えず、気に入った物件で即決してしまいました。それが、今、spa Bricoを構えている清澄白河にあるfukadasoです。fukadasoは清澄白河の発展の先陣を切って完成した、古い木造賃貸アパートをリノベーションしてできた建物です。当時はまだブルーボトルの影と形もなく、週末に訪れる若者も一切見かけないような閑静な(いや、静かすぎる)街でした。fukadasoが完成して、私が一番に賃貸契約を結ばせていただいたわけですが、はじめて数ヶ月は本当に集客に苦戦しました。当時はSNSさえあれど、現在のように簡単にSNS広告が打てる時代でもありませんでした。マーケティングの知識ゼロで挑んだ開業、今考えたら完全に捨て身の技ですが、そんなアホな私をカバーしてくれたのは、fukadasoの建物自体のポテンシャルだったように思います。
前述のとおり、fukadasoは築50年(開業当時なので、現在では既に60年を超えています!)の木造賃貸アパートを古き良き風情はそのままに、リノベーションして生まれ変わった商業施設です。当時の私の夢のサロンのイメージは、古民家を改造した建物でした。鍼灸そのものが古き良き伝統療法であるため、同じイメージで真新しい建物よりも、風情のある古民家をイメージしていました。fukadasoは、そんな私のイメージにピッタリでした。fukadasoをご覧になった方はご存知かと思いますが、外装は錆びついたようなトタンが張り巡らされています。実は、このトタンは本当に錆びているのではなく、ペイントでエイジング加工されたものなのです。住宅街の中に突如あらわれるインダストリアルなfukadasoの風貌は、通りがかると必ず目につく建物。そこに素人が作った下手くそなチラシを置いておいた…それがはじめの集客のきっかけでした。fukadasoの粋な風貌がなければ…もし私が一般的なアパートの一室で開業していたら、志半ば、早々に廃業していたかもしれません。その後、清澄白河はかなり注目をされる街になりました。清澄白河を選んだ私のことを『先見の目がある!』とよく言われたものですが、本当に結果オーライです。自営はたくさんの努力が必要になるため、自分が努力をしなくてもお客さんに見つけてもらえるような立地や物件を選ぶことは、後々事業を助けてくれるポイントのひとつになるでしょう。

自分が目指す美容鍼灸を明確にすること

自分が目指す『美しさ』というものを、きちんと明確化しておくことも非常に重要なポイントです。一言に美しさといっても、そのタイプは千差万別です。例えば、女優さんで考えるとわかりやすいのではないでしょうか。世の中にはたくさんの美人な女優さんがいらっしゃいますが、本当に自分が心から『美しい』『私もこうなりたい』と思う女優さんは絞られると思います。自分が美しいと思う女優さんの美意識が、自分が目指す美しさに近いでしょう。私の場合は、長谷川純さんの健康的な裏表のない美しさにとても惹かれます。現在では美容皮膚科もかなり進歩し、美しさは際限なく突き詰めることができるようになってきてしまいました。私も一応美容を生業としていますが、私自身は過剰な美容は受け付けません。まずは健やかであれば、だいたい皆美しいと思っています。ただ、仕事や家事などでどうしても不規則な生活になったり、ストレスが溜まったりすることがあります。そういったイレギュラーな乱れを整えるのが私の役目だと思っています。鍼灸は、自然治癒力を使ったごくナチュラルな治療です。そういった点でも、私の美しさのコンセプトに合っている美容療法だと思っています。
また、自分の美容のコンセプトが明確にあると、お客様もサロン選びをしやすくなるでしょう。サロンや施術のコンセプトがしっかり話せると、お客様の信頼にもつながり、お互いの目指す部分が明確になります。ただ刺せばよい、というものではなく、その先に何を目指しているのか。ここのサロンでは、どこまでその悩みに対して伴奏できるのか。そういったことは、自分の目指す美しさが明確になっていれば、問題なくお客様にお話することができるだけではなく、他のサロンとの差別化にもなります。私の開業当時と比較すると、現在、美容鍼灸サロンはかなり増えてきたと思います。その中で、自分の美容鍼灸サロンは他と比較して何が違うのか。これは開業前にしっかり設定しておく必要があります。

開業してから気づいた「リアル」な課題

鍼灸、美容鍼灸は魔法ではありません。ですので、1回の治療で改善するかといったら、間違いなくノーです。改善をするには、継続的に通っていただく必要があります。そこで打ち当たるのが、価格設定です。消費者側の意見だと、継続するにはそれなりにコストが嵩みます。続けるには、リーズナブルに利用できることが一番。反対に経営者側からすると、自分の時間給を上げるには客単価を上げるしかありません。また、治療者の視点からも加えると、『お客様(患者様)のためにできる限りのことをしてあげたい!』という良心もあるでしょう。この課題に関しては、spa Bricoを12年続けてきた私でも、未だ明確な答えが見つかっておらず、なんなら今現在も迷っています。答えが見つかったと思っても、世の中の景気が変わったり、私自身が目指すものが変わってきたり…で、どうもこの問題に関しては永遠に1つの答えは見つからないのではないかと思っています。
とはいえ、自分のサロンのコンセプトや自分が理想とする働き方、ターゲットとする顧客層や立地、そしてそのときの景気を加味すると、なんとなく価格帯のイメージをつけることができます。あとは実際にやってみて、トライアンドエラーです!
私の過去の経験談を付け加えると、開業当初は『継続は力なり、継続的に通って欲しい!』という思いから、ものすごく破格な価格設定をしていました。その結果、お客様は自分の希望通りにきちんと定期的に通ってくれたのですが、自分自身がボロボロになりました。毎日12時間を超える勤務になり、寝に帰っているだけのような状態の時期がありました。さすがに好きで始めた仕事が嫌いになりかけてきたので、それでは本末転倒だ!と、価格改定をしてきました。現在では以前と比較すると、ずいぶん時間にゆとりができました。しかし毎月の売り上げでいうと、あまり変化していません。時間のゆとりができた分、こうしてnoteやSNSに取り組むことができたり、勉強をしたり、はたまた仕事をせずにリフレッシュする時間ができるようになりました。たまに当時の分刻みで働いていた頃のアドレナリンMAXな感じが懐かしくも思いますが、ここからまだまだ鍼灸師の道は長いです。長くやっていくためにも、無理は禁物だということはこの12年で学んだことのひとつです。

 

施術だけではなくトークも重要な話

技術職を志すと、自分の技術や知識をもっともっと極めたくなるもの。ですが、私の意見では、技術だけが良ければ勝手にお客様がついてくるものではないと思っています。鍼灸や美容鍼灸は、治療の以前にサービス業であると私は思っています。
私が独立開業をしたタイミングは、自身の経歴が5年目だったときです。年齢も26歳でしたので、世の鍼灸院を開業している先生と比較したら、非常に頼りないものでした。経験で張り合ったとしても、そもそも人生の先輩には叶うわけがありません。そこで私は、自分のできる範囲や思いつく範囲でできる、お客様が喜んでくれるようなサービスをしようと心がけました。でもそれは値引きといったものではなく、本当に簡単なものです。そのひとつが、お客様を会話で楽しませることです。『楽しませる』というと少し烏滸がましいですね…。そう、何を隠そう、私自身もお客様との会話を楽しませていただいております。会話を楽しむというのは、簡単なようで意外と難しいものです。自分とは年齢や世代が異なるお客様と、いかに会話を広げてお互いに楽しい時間を過ごすか。私が実践しているのは、お客様の容姿の特徴やこちらから投げる小さな質問から、趣味や嗜好を探り出しで会話が弾む何かを探っていくことです。中でも自分との共通点を見つけることが、一番会話の近道でしょう。
お客様はサロンへ施術を目的にいらっしゃいます。満足していただけるような施術を提供するのは当たり前ですが、それに加えて楽しい会話もできるのであれば、お客様の満足度はさらに上がることでしょう。
また、鍼灸はみなさんご存知の通り、鍼を刺すものです。いくら髪の毛程度の細さといえども、やはりお客様は緊張するものです。そして、必ず痛みが生じないわけではありません。会話は、お客様の緊張をほぐすのにも非常に効果的です。痛みというものは、他に意識が向いていると感じにくい傾向があるというエビデンスがあります。会話をしながらの鍼灸や美容鍼灸は、切皮痛を防止するためにも効果的な方法でしょう。
会話というのは、意外と難しいものです。ましてや、家族や仲の良い友達とするものではないので、細心の注意を払うことも必要です。お客様の性格や趣味など(はたまた会話をせずに静かに過ごしたいか)を即座に察しとって、トークの引き出しからネタを探し出し、楽しい時間をも提供すること。お客様の笑いのツボも当てられると、体のツボに鍼を当てられた時のように快感ですよ!


 リピーターを増やすための考え方

そもそも、鍼灸治療はリピートすることが必須の治療だと、私は考えています。残念ながら、鍼灸は接骨院のように健康保険が利用できないので、気軽に継続ができない部分があります。また、美容業としての括りで同じになる美容室と比較して断言できるのは、誰もが必要としているものではないこと。人類皆、髪は同じペースで伸びるので、必然的に美容院に通うペースも想像が付きますし、伸びるからには必ず行かなくてはいけません。それと比較すると、鍼灸や美容鍼灸は非常にリピーター集客に弱いです。そもそも『鍼を刺す=痛い』という強烈な印象が根付いており、鍼灸を好む人自体が限られるため、新規顧客を見つけるよりもリピーターをつけた方が集客プラン的にも楽だと考えます。新規の一元さんをバンバン回すという考え方もあるでしょうが、私自身、実は内向的で人見知りである…という性分が悲鳴をあげるので、やってません(笑) 日本の伝統医療のひとつであるにもかかわらず、シェアは非常に小さい業界…。であれば、やはりリピートしていただけるように促す必要があります。

リピートしていただくためのポイントとして、まず挙げられるのは、前述の『開業して気づいたリアルな課題』の内容と重複しますが、やはり価格設定です。私の場合、お客様の治療の経過を自分の目でしっかり確認したい、という強い気持ちがありました。また、何事もコツコツ継続することが結果につながると信じていたのもあり、メニューの設定も継続を促すコースを設定していました。例えば、1ヶ月定額制のプランです。『ビジターか1ヶ月定額か』というメニュー設定にしており、定額の金額を見るとビジターがとても高くみえるような値段設定にしていました。そうすると、お手入れさえ気に入っていただければ、必然と1ヶ月定額コースを選択される方がほとんどでした。このコースのおかげで、サロンはほぼ毎日満席予約となり、私自身もお客様の治療経過を自分の手と目でしっかり見届けることができ、とてもよい経験となりました。
とはいえ、この武勇伝はまだ美容鍼灸がここまでメジャーになっておらず、SNSをはじめとしたインターネット社会も、ここまで爆発的な進化を遂げていない頃です。当時はまだブルーオーシャンであった美容鍼灸も、今ではレッドオーシャンとなり、SNSも少しアップしただけでは埋もれてしまう時代です。10年の時代の変化を身に沁みて実感していますが、リピーターを大事にしていくことは今現在も変わらず大事な要素と思っています。時代がどんどん変化していくので、答えはひとつではないですし、それも常に変化していくと痛感していますが、いつの時代も大事にすべきポイントを挙げておきます。

① 価格帯(通いやすい価格か?)
② 世の中の景気や流行(現在の景気や流行に見合ったものか?)
③ サービスのコンセプト(他と差別化できるサービスの価値は?)

そしてなにより、自分の仕事に対する志と、こちらも前述した技術と会話のサービス力が一番のリピート率に繋がるのではないでしょうか。

おわりに

なんて偉そうに書かせていただいた今回の記事ですが、何年やっていても成功って本当にわからないものです。わからないからこそ、私自身も12年も邁進してきたんでしょうね…。そういうわけで、これからも成功とは何なのかを追い求める人生の旅を続けていきたいと思っています。最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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