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ぶりこ式東洋医学概論、綴ります

はじめに

東洋医学って、不思議なもの。
私もはじめ、始めて東洋医学に触れた学生の頃、頭の中は『???』ばかりでした。
先生『体には気が流れていて、それが不足したり、滞ったりすると病になる』

私:『…気、ですか?』

体は確かに血液やリンパ液が巡っている。
でも、気…??

はじめは全くもって理解できなかったけれど、東洋医学がわかってくると、だんだんその意味がわかってくるように。解剖医学的には、体に『気』は存在しない。
でも、確実に体に『気』は流れていると、実感するように。

頭で考えると、全くわからなくなる東洋医学。
学生の頃も、自分の頭の中の『?』を先生に聞いてみるも、先生もはっきりした言葉が返ってこなかった。
学生の頃の私は、ちょっとそれに戸惑いも感じながらも、もともとの性格が大雑把なので『ふーん、、』くらいで特に突き止めなかった。
もしかしたら、理数系の方は理解に苦しむ学問かもしれない。
化学や数学は、一つの答えを突き詰める学問だけれど、美術や国語には、『絶対これ』という答えがない。
人の体と向き合う仕事をし始めてから思うのは、人間の体もなかなか一つの答えを見つけるのに苦労するものだと思う。
例えるなら、解剖学は数字、生理学は方程式。
さまざまな複雑な外因要素が加わって、答えが『健康』か『不健康』になる。
学生の頃、教書の中で『人体は小宇宙』という表現を見た。
始めその言葉を見たときには謎な表現でしかなかったけれど、今となっては大納得。
こんな現代でも、まだまだ人体の全ては解明されていないことが多いのだ。
いくら、数字(解剖学)と方程式(生理学)がわかっていたとしても、その答え(健康、もしくは疾病)はとても複雑。
一見同じような疾病に見えても原因が違ったり、違うような疾病に見えても原因が同じだったりする。
学生で勉強に必死だった頃、いろいろな健康や美容に関する文献を読んできたけれど、結構意見が真反対だったりする。(例えば1日の水分摂取量…2リットル飲まないといけないとか、そうじゃないとか)
初めのうちはこういったのに戸惑ったけれど、そのうち慣れてきた。
『答えはひとつじゃない。自分に合った健康法を探すしかないのだ。』
答えが見つかっているようで、未だ全てが解明されていない人体の不思議。
だからこそ、先人はこれを比喩して『小宇宙』と言っていたのだと、私は解釈している。
いつまで経っても人体は謎のままで、その謎を突き止める冒険はずっと続く。
頭で考えるより、心で感じる学問なのかもしれない。

そんな東洋医学は、受け取り手によって、いかようにも解釈できるものだと思っている。
ただ、その自分なりの解釈ができるようになるまでには、やっぱりある程度の経験が必要に思う。
思い返せば、鍼灸学校を卒業して国家資格を取得し、鍼灸師になりたての頃。
証立て(東洋医学的な診断のこと)をパッとするのが非常に難しいと感じていた。
気虚からの陰虚か陽虚か…はたまた外邪なのか…なんて、参考書開きながら、ひとつずつ確認しないとわからなかった。
1時間以上かけて問診をするという流派もあるのだけれど、これはなかなか厳しい…。
なので、私は持ち前のお喋りの性格を用いて、お客さんととにかくお喋りして、そこから紐解いていくという問診スタイルにした。
結果的に、お客さんともおしゃべりして楽しい時間がすごせるし、仲良くなれる。
仲良くなると、お客さんも『実は…』みたいな自分の体調不良を喋ってくれたりする。
これが実に多いと感じた。
はじめに問診票を書いてもらうのだけれど、ほとんどの人はそこまでしっかり書いてくれない。
東洋医学の判断は、『そこまでしんどくないけど、気になるちょっとのこと』も大きな体質診断のヒントになったりする。(逆に初めからたくさん書いてくれる人は、それはそれで体質診断のヒントにもなる。)
そんなことを10年間続けてきた結果、私はおしゃべりからその人の東洋医学的な体質診断ができるようになった。
実際に身体を診て、その特徴などの情報を加味して証立てをする。
また、私のサロンは美容をコンセプトとしたサロンでもあるので、顔からも大まかな証立てもできる。
これは、完全に教科書などの情報ではなく、15年間の経験で培ったもの。
顔の特徴はもちろん、肌の硬さ柔らかさ、肉付き、色、肌トラブルなどで、大体分かる。
当たり前だが、体も顔も、誰一人として同じ人はいない。
血が繋がっている家族ですら、全く同じではない。そうではあるが、ある程度のジャンル分けをすることは可能。
私は職業柄、たくさんの人の身体や顔を触ることが普通の中で生きてきたが、一般的には他人の肌に触れることは滅多に少ない。
なので、実際に自分の身体や肌が硬いのか柔らかいのか、という自分のタイプを理解していない人が非常に多い。
タイプを理解していないならまだしも、体や肌に問題がある状態にも関わらず、本人は正常と思っているケースもあったりする。
そういう場合は、しっかりそれを伝えて、なにかしらの改善策をお伝えしたりするようにしている。

鍼灸学生から早15年。
独立開業をして10年。
まだまだ発展途上ではあるけれど、教科書通りとはちょっと違った、私なりの解釈の東洋医学概論、東洋美容概論が見えてきた。
独立10年と薬草茶ブランド創業1年とちょうどいいタイミングでもあるので、私の頭の中をまとめるためにも、ぶりこ式東洋医学概論を綴ってみようと思います。
もしよろしければ、お付き合いくださいませ◎

(※ 今後の記事は、オリジナル薬草茶ブランド うゑるかをる の『うゑる式 美養生学習帖』の転載になります。)

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