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形の中と外にある物を考える
シェーカースタイルの椅子を構成する丸棒の部材。UNOHでは前脚、後脚、貫とそのどれも旋盤を使い、手作業で削り出しています。
finialもしくはpommelと呼ばれる後脚の上部を飾るパーツは、一本一本が同じ形になるよう目と手で削りだして加工しています。
この手捌きと目捌きは、これから先もより鍛えていかなければならない点です。
フィニアルはシェーカースタイルにおいては異色である装飾性を感じさせるパーツであると同時に、割れ止め、調湿機能といった役割が与えられていると考えられます。
必要で、有用であれば美しくする。
というシェーカーのデザインへの考え方の最たる例とも言えます。
またフィニアルについては、コミュニティごと、また年代によって形が異なり、作られた時や場所の判断にも重要な役割を担います。
UNOHでも、エンフィールドコミュニティのサイドチェアに特徴的なキャンドルフレーム
それに比べ、丸みを帯びたプレザントヒル
後期マウントレバノンの(acorn)ドングリ型
実際に復元している中にも、いくつもの種類があります。UNOHでは定番品に限らず、特注品や展示品もその地域やコミュニティに基づいたフィニアルを施しています。
このようにシェーカーがコミュニティごとに違う形のフィニアルを採用したことは、匿名性や非個性的な在り方を良しとしたシェーカーの人々の個人と集団について考える時の要点となるように思います。
木工のセオリーを前提として、独自の美観を反映させたシェーカースタイルの考え方、個人と集団のアイデンティティ。凛とした佇まいの形の中と外について深く考えさせてくれるデザインです。