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Fieldwork #3 Hancock 1/2
マサチューセッツ州のピッツフィールドの西部にあったコミュニティはHancock/ハンコックと呼ばれます。
そのシェーカーサイトの管理を行うHancock Shaker Villageは現時点で私たちが訪れることのできる東部のシェーカーコミュニティ跡ととして最大級の土地と建築、コレクションを持つ広大なミュージアムです。
現在も、ヨガイベントやウェディング、季節の催事などが積極的に行われているようで、活力に満ちた空間が広がっています。
他のコミュニティサイトに比べ、観光客の数も多く、カフェやショップも充実しており、彼らが管理するシェーカー建築のほぼ全てに入ることが出来、その建物ごとに復元展示が成されています。
ビレッジ周辺は広大な森林地帯が広がっていました。
ニューヨーク州の東端にあるMount Lebanonと、マサチューセッツ州の西端にあるHancockは車で5分ほどの距離感であり、ほぼ隣接してると言って良いほどの距離感でした。
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シェーカーの暮らしの規模感や仕事の多様さ、生活や労働に関するデザインの思慮深さを知ることができる点で、シェーカーについて専門的に学ぶことのない人や、初めて触れる人にはハンコックシェーカービレッジは最適のミュージアムであるかもしれません。
ビレッジは、ハンコックコミュニティの閉鎖した1960年の翌年からすぐにミュージアムとしてオープンされました。
直接的にシェーカーの人々から管理、運営を引き継ぎ、コレクションの収集を開始し、ボランティアや寄付、もしくは購入を今も続けており、豊富な建築物や施設、家具や道具のコレクションが残ります。
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@Hancock Shaker Village
このレンガ造りの大きなDwelling House/居住棟には、およそ100人のブラザーとシスターが共同生活をしていたとされます。
この各部屋でも展示が行われています。
私のハンコックの感想として最初に言えることは、展示されたコレクション、情報量があまりにも多く、写真を撮っているだけで満足してしまいそうだったということでした。
それほどの物量があります。
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@Hancock Shaker Village
また、ビレッジでは定刻に様々な施設でガイダンスやデモンストレーションが行われています。私たちが訪れたタイミングでは、鍛治の実演や水力による機械稼働のデモンストレーションに立ち会うことが出来ました。
シェーカーの人々の暮らし、仕事の様子がどのようなものだったのかをうかがうことができます。
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@Hancock Shaker Village
大量の水を引き込むことで、建物内に張り巡らされたロープやベルトが一斉に動き出す光景は、まさに圧巻の一言でした。
彼らはビレッジ内にある小川の他に、レザボア(貯水池)を利用し、水の量を管理しパイプによって共同体へ引き入れ、機械場やランドリーなどの仕事場といつまた各施設で利用する水道インフラを確立していました。
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@Hancock Shaker Village
シェーカーのコミュニティ、ファミリーは必ず水源となる川や湖、池に隣接して存在してます。生活に必要な水、それも大量の水を確保することは絶対的に必要なことでした。
特に、ニューイングランド各地のコミュニティの多くには、湖、小川、池、沼など天然の豊かな水源が存在しています。
大量の水を確保すること、そして大量の水を利用することを両立したのがシェーカーの人々の卓越した技能の一つだったと言えるでしょう。
共同体における水の必要、畑や飼育する動物への水やり、大量の食事のための水、そして大量の洗濯のための水、機械の動力としての水、もちろん、自分たちの飲料としての水としても水の確保は重要な要件でした。
ハンコックをはじめとして、各コミュニティーの水源への取り組みは、今回シェーカーサイトを実際に訪れたことで最も感銘を受けたことの一つとなりました。
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@Hancock Shaker Village
おそらくシェーカー建築の中で最も有名なものである円形の石小屋、ラウンドストーンバーンは、写真では伝わらないかもしれませんが、非常に大きな建築です。
この建物は家畜の飼育のために利用されていました。
建築の大きさ、コミュニティサイトの広さといったシェーカーの暮らしのスケール感は、訪れてみなければ実感できない要素の一つです。
実際にサイト内を歩いて回ると、本や資料で知るよりも、そのスケール感の大きさに途方もない労力と時間を感じさせられます。
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外観だけでなく、内観も壮大で美しいラウンドストーンバーンは、内部構造にも多くのこだわりと仕事の効率化のギミックを持つ建築で、まさにシェーカーらしい建築です。
餌やりのための設備であり、大きな機械と言っても差し支えありません。
ユニークな建物の使い方はハンコックのウェブサイトでも紹介されています。
現在、ハンコックシェーカービレッジでは牛、鶏、豚、羊などが飼育されているそうです。
食肉に関して、シェーカーには宗教的制約は存在してません。むしろ、羊毛の利用や乳製品の活用など、命を扱うことを意識した営みがシェーカーの暮らしを支えていました。
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@Hancock Shaker Village
この建物はトラスティーズオフィスと呼ばれます。トラスティーは各コミュニティに置かれた役職の一つであり、財務や外部の人との交流や取引などを任せられていました。
外部の人間が出入りする場所という役割上、通常の信徒が利用する建築、インテリアとは異なるコンセプトを持ちます。
トラスティーズオフィスは各コミュニティに共通する施設の一つで、どこであれらサイトの中心部から比較的距離を取った外縁部にあります。
これも、外部の人間が出入りするためです。
調度品や家具も外部の人々を招き入れることを予め考慮されています。
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@Hancock Shaker Village
トラスティーズオフィスの花柄の鮮やかな壁紙に特に目をひかれました。
20世紀半ばから、彼らはこの建物については、この花柄の壁紙を利用したそうです。この時のシェーカーの人々は、外部から客人を迎え入れるのならば、花柄を選ぶということであり、彼らにとって装飾やデコレーションは、信徒にとっては好ましくないが、外部の人にとっては好ましいと考えたということが推察されますり
これは最初期からのことではありませんが、こういったシェーカー内における適応や変化はとても興味深いものでした。
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ちなみにこの壁紙は2020年のリプロダクトの物だそうです。
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ハンコックコミュニティはシェーカーにとって3つ目に建設されたコミュニティであり、1960年まで続きました。
多くのコミュニティが1900年代の前半で解体されたことを踏まえると、比較的長命のコミュニティであったことがわかります。
信徒の減少により維持の難しくなったシェーカーコミュニティやファミリーは売り払われるか、ボランティアの支えによって運営が続けられました。
ハンコックはこのような長い歴史を持つが故に、多くの変化を一つのコミュニティの中で経験した稀有な存在であるとも言えます。