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シェーカーとは?-250年の歴史
シェーカーの人々がマンチェスターを離れ、アメリカに降り立った日、アライバルデイは1774年の8月6日のことだと言われています。そして、2024年8月6日は250年の節目の日となります。
シェーカーと呼ばれる人々は、正式にはUnited Society of Believer's in Christ Second Appearing(直訳するとキリスト再臨信者連合)という宗教団体の信徒を指しています。イングランドで発生したキリスト教プロテスタントの小さなグループの一つでした。
イングランドのクエーカー、およびフランスのプロフェッツの流れを汲み、それらの思想が独自の合流を果たし、教義を作り出していきました。
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彼らは自分達のことをBelievers(信徒)と呼びます。シェーカー/Shakerとは外部の人々による呼称でした。彼らがシェーカー/Shaker(震える人)と呼ばれたのは、彼らの独自の礼拝の様子が要因でした。
最盛期に至るまで、彼らの礼拝は歌と踊りによるもので、それは恍惚や絶叫を伴うほど激しく、熱狂的なものでした。その姿から彼らはシェーキング・クエーカーズやシェーカーズと呼ばれるようになります。
つまり当初は、クエーカーの静かな瞑想のイメージに反し、時に激しく熱狂的な礼拝を行う人々という認識であったとも言えます。しかし、アメリカに渡り、彼らの神学や教義が確立するようになると、独自の宗派としての認識が広まりました。
シェーカーという呼び名が近隣の人々や社会に浸透するような時代になると、シェーカーという名前を、信徒自身が使用するようになります。信徒たちにとってもネガティブなものではなく、Shaker Seed Companyや外部向けに生産された椅子に刻印されるShaker's trade markのような市場向けの商品もシェーカーの名前が付けられています。
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現在、『シェーカー』は家具デザインの文脈のシェーカー家具という言葉で知られています。また彼らの代表的な木工品であるオーバルボックスは、シェーカーボックスとも呼ばれ、日本でも多くの作家が製作し、根強い人気のある商品です。
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しかし、シェーカーの人々は、木工だけに特化した集団ではなく、食料や衣類、建築に至るまで、生活や労働に関わるありとあらゆるものを自分達で製作していました。そのどれもが彼ら独自の思想や生活を反映しており、彼らの建築はシェーカー建築、彼らの音楽はシェーカーミュージック、シェーカーソングというように、多くのジャンルでシェーカーの名前を目にすることができます。
シェーカーの歌で最も有名な「Simple Gift」は、アメリカのトラディショナルソングとして世界中で様々な形で演奏され続けています。その中でも、とりわけ注目を浴びているのが家具ということです。
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現在、アメリカではシェーカーの自給自足を中心としたサスティナブルなライフスタイルや、平和主義、人種や男女の平等や公平性の考えが見直され、共感する人が増えてきています。
近年の日本で言えば、ミニマリズムや丁寧な生活のような文脈でシェーカーの名前を目にする人も増えてきたのではないでしょうか。
シェーカーには250年という長い歴史とアメリカ各地に20以上に広がったコミュニティーがあり、その中でそれぞれの時代・場所で営まれた彼らの生活には、実に様々なキーワードが散りばめられています。そのいずれもが興味深く、学びは尽きません。
このノートでは、ざっくばらんにシェーカーの文化について書き留めています。そのどれか一つでも皆さんの関心につながればと思います。